先週の「チュータのひとりごと」で,聖ドミニコ寮の高3生に対して話をしたときに,次のようなことを紹介した。
「わたしは今年度から,1週間に2回以上の寮訪問をするつもりです。そして,ただ訪問するのでは,申し訳ないので,高3の皆さんと個人面談をさせていただき,寮や学校に対する要望などを聞かせてもらおうと考えています。寮や学校がよりよくなっていく方法を共に語り合いましょう。」
わたしは,今年度最初の職員会議で,クラス担任の先生方に,年に数回の面談を個々の生徒に対して行っていただきたいという要望を述べた。そう要望した自分に何ができるかということを考えているときに,聖ドミニコ寮での面談が思い浮かんだのである。
実は,わたしは中学1年生の「NHK基礎英語」の指導もあって,週に1度,月曜日に中1集団学習室を訪問している。このラジオ講座の指導後,中1生の質問を受け,その後,聖ドミニコ寮に向かうことにした。もう一日はウイークデイのどこか,そして休日の午前中で時間が取れるときに訪問をすることに決めた。
今年の高3生については,中・高6年間のうちで授業を担当する機会が一度もなかった。昨年度,高2の修学旅行や文化祭,そして体育大会などの行事で話をする機会はあったが,ごく一部の生徒としか話をする機会が持てなかった。このことを残念に思っていたので,寮生全員と面談をさせてもらうのは,ありがたいことだと思っている。また,担任の面談の苦労を共に味わってみることも必要なことだと思われた。
ただ,その面談で,クラス担任でないわたしが何を話の題材にするのかという問題が残る。いろいろ考えた結果,上記の寮や学校に対する要望だけではなく,次のような項目について話を聞かせてもらうことにした。
・ 志望大学と将来の夢
・ 現在の寮生活
・ 寮生活の長所と短所
・ 寮の改善点
・ 現在の学校生活と学校の改善点
・ 18年間の人生で最も心に残る思い出
4月18日から面談を始めた。学習時間中に訪問をするのだから,生徒にとっていささか迷惑ではないかと思いながら部屋のドアをノックする。「10分間ほど話をさせてもらってよいかな?」と尋ねると,「いいですよ。」という気持ちのよい返事が返ってくる。話が終わって帰ろうとすると,礼儀正しく「ありがとうございました。」という言葉が返ってくる。中には立ち上がって挨拶をしてくれる生徒もいる。
面談は一日に4名から5名で止めることにしている。これは,わたしがクラス担任をしていたときの経験から,5名を超えると疲労感を覚えるため,面談中に相手を励まそうとする意気込みが伝わらなくなるのと,生徒を励ます良い言葉が浮かんでこなくなるからである。
高3寮生の面談は現在35名を超えたところであり,まだしばらくこの面談は続く。クラス担任のご苦労には及ばないが,少しでも生徒たちのやる気につながってくれればよいと願って寮訪問を続けたい。
学級懇談会の日に「寮生保護者連絡会」も行いました。保護者に話をしている鞍懸先生(寮務部長)です。