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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第221回 (52期生修学旅行閉校式)

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学校長として,初めての修学旅行引率責任者として,52期生と共に修学旅行に参加できたことを本当にうれしく思い,教員生活の素晴らしい思い出作りがまた一つできたことを君たちに感謝します。特にA組の皆さんとはバスを一緒にさせてもらい,ありがとうございました。

実施要領の中に修学旅行の目的が5つあったことは覚えていますか。

第1は「雄大で美しい大自然に触れ,自然と人間社会の関係について見つめなおす。」でした。

自然というと,わたしは,火と水と風を思い出します。

人類史上初の哲学者とされる古代ギリシャのタレスは水を万物の根源,つまりアルケーと考えたようです。ヘラクレイトスはこのアルケーを火と考えたとのことです。

このような考え方についてどうこういうつもりはありませんが,わたしは,人間と自然は一体化しているのではないかと考えています。

火と水と風についてだけで言えば,火の働きをする部分が人間の身体にあります。それは。36度7分の体温です。この温もりがなければ,人間は生きていくことはできません。それでは水はどうでしょうか。人間の身体の60%~70%が水分でできていることは,皆さんもよく知っていることです。

それでは風の働きをする部分がどこにあるかということになりますが,皆さんが気がつかないうちにしている呼吸です。この吸ったりはいたりしている呼吸がなければ人間は生きていくことはできません。このように考えてくると,人間と自然は別個の物ではなく,一体化しているのではないかと思えてくるのです。つまり自然を大切にするということは,人間そのものを大切にすることに繋がるのだとわたしは考えています。

さて3番目の目的に,「規律ある集団行動を通じ,社会性を陶冶する。」とありますが。この点に関して,特に男子生徒の服装について第1ボタンをきちっとしている立派な姿を見て,君たちを引率していることを誇りに思いました。飛行機の中でキャビン・アテンダントから,「進学校の生徒さんと聞いていますが,素晴らしい生徒さんたちですね。」とお褒めの言葉をいただいたことを伝えておきます。

 

(ここでわたしは自分のネクタイをゆるめて少しだらしない格好をして見せた。すると生徒たちの中から笑いが起こった。)

 

笑いが収まった後,次のように述べた。

自分の姿は自分では分かりません。このようにネクタイをゆるめると,いかにだらしないかが分かるでしょう。男子生徒の皆さんの第1ボタン,そして女子生徒のネクタイも同じことなのです。今後も,よい習慣を続けてくださることをお願いしておきます。

次に,集合時間について,5分前集合というのは,改めて難しいと感じたことと思いますが,10分前行動,5分前集合というのは,世の中に出たときにも大いに役立つルールです。

4番目の「共同生活を通じて,師弟間や生徒間の人間関係を深める。」ということについては,皆さんの雰囲気から,互いの人間関係が大いに深まったことが見てとれました。

人間関係を深めるということについて,君たちの年代にこのような話はどうかと思いますが,これからの人生で役に立つと思われるので,話をしておきましょう。

君たちの友人で,彼のあるいは彼女の性格がもう少し変わってくれるとよいのになあと思うことがよくあるのではないでしょうか。そのようなときにはぜひ,この言葉を思い出してほしいのです。それは,「自らが変わることによって相手が変わる。」ということです。

ゴミには銀バエが花には蝶がやってきます。自分が何者であるかによって,近づいてくるものも変わってくるのです。家族でも,夫婦でも,友人でも,自分が変わらなければ,相手は変わらないということをぜひ覚えておいてもらいたいと思います。相手だけを責めてはいけません。自らが変わって初めて相手が変わるのだと言うことをどこかで思い出してもらいたいと思います。

最後に,この修学旅行が順調に運んだのは,JTBの添乗員の皆さんのおかげであったことはもちろんのことでありますが,学年主任の中塚先生をはじめ,引率の先生方の素晴らしい心遣いがあったことを忘れないでください。夜中まで見回りをされていたことは,ほとんどの皆さんが気付いていないことです。このような目に見えない心遣いがあってはじめてこのような行事が成り立っているのだということ,感謝の気持ちを忘れないでください。

今後の52期生の検討を祈って閉校式の言葉といたします。

時計台.JPG

花畑.JPG

 


2013年1月

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