今年も11月13日(木)の参観日に,中1生による合唱コンクールが行われた。ご父母の参観を考慮し,時間割を変更して6,7時限目に体育館で実施された。
各クラスの担任と音楽担当の小田倫史先生の指導のもと,何週間かにわたって練習を積み重ねた成果を発表する,中1生恒例の行事である。
学年主任の重川綾子先生から,審査員の依頼があったので,いつものように,簡単に「いいですよ。」と引き受けた。
わたしは,週に8時間,中1の英語を担当している。どうやら,愛媛県内には,校長が授業を担当している学校はないとのことで,入試説明会でも,このことに必ず触れることにしている。そして,「校長みずから授業をするのは,教員のいのちである授業を大切にしてほしいと思うからであります。」と宣言している。
授業日は火曜日と木曜日で,この参観日はわたしの授業担当日になっていた。わたしは,ずっと以前から参観日を楽しみにしている。それは,ご父母に参観していただくと,やる気が増幅するからである。1,2,3,5時限目に授業を行い,6,7時限目が合唱コンクールで,そして,その後もオーストラリア語学研修のご父母向け説明会に参加し,挨拶をさせてもらった。
まさしく,この日は「チュータ」というニックネームどおり,こまねずみのように動き回った一日であった。
今年の合唱コンクールは,どのクラスともレベルが高いと小田先生から前もって聞いていたので,大いに楽しみにしていた。
合唱コンクールの発表会が始まった。各クラス,課題曲と自由曲の2曲を発表する。最初はc組であった。男子生徒の声が体育館に響き,ソプラノも負けずについていっているとわたしには聞こえた。4クラスの発表が終わって,確かに小田先生が言った通り差があまりないように思われた。
結局,最初に響いた男子生徒の声の印象が強く,わずかの差でc組がトップというのがわたしの採点であった。4人の採点者の合計でも,やはりc組がトップとなった。しかし,どのクラスに優勝の賞状が渡されても不思議ではない出来映えであった。
毎年,生徒たちが合唱する姿を見て,つい感動の涙を流してしまう。今年も例外ではなかった。懸命に歌っている生徒の姿とハーモニーを耳にすると,自然に涙が出てくるのである。
学問,道徳,芸術,宗教,身体,生活,この人間の文化の6分野すべてが,教養人育成のために必要であることを中1の生徒たちが理解するには,もう少し年月が必要なのかもしれない。しかし,大学入試に直接には役に立たないと思われるこのような芸術の分野を大切にする精神性を重んじることが教育においては重要ではないかと思われる。
合唱コンクールの様子です。
当日のプログラム。
当日は多くの保護者が参観していました。