4月26日(日)に東京の目白にある素晴らしい庭園を持つホテルで行われた29期卒業生の結婚式に招待を受けた。
29期生を担当していたわたしは,卒業生の結婚式ということで楽しみにして出かけた。第238回の「ひとりごと」で触れた結婚式の新郎と同級生である。前日の土曜日の最終便で羽田に向かい,品川まで出て,外回りの環状線に乗車したが,新宿から向こうに行ったことはなかったので,目白の駅に着くまで少し不安であった。夜の10時頃にホテルに到着し,部屋から外を眺めると,ライトに照らされた庭園と遠くに見えるビルの明かりが並んで目に飛び込んできた。
翌朝,朝食を済ませてから披露宴まで時間があったので,庭園を散歩することにした。庭園に出ると,朝のさわやかな風が木々の間を吹き抜けていき,前日降った雨で葉に残っていた水滴が,この風に揺られてミストのようになってやさしく降り注いできた。
庭園には鎌倉時代の石灯籠などもあり,都会の中にあって,このホテルは現代と古い時代との調和を感じさせる工夫を随所に見せていた。
結婚式では祝辞を述べることになっていたせいか,自分の番が回ってくるまでは,いつものことであるが,少し緊張をしていた。最近,この緊張感を楽しみにすることのできる余裕(?)が出てきたような気がする。どのように表現すれば短い時間でインパクトのある話になるかということを考える時間になるからである。
祝辞の一部を紹介したい。
新郎新婦及びご両家へのお祝いのことば (省略)
わたしは,新郎の中学3年から高校卒業まで4年間,英語を担当させていただきました中村と申します。高校1年生のときにはクラス担任をさせてもらいました。
新郎は本校の29期生であります。この学年はわたしの教師生活40年の中で思い出深い学年です。
それは,高校3年のときに,校外模試の英語の成績で1年間を通して全国1番になった学年であるからです。わたしは,高3生を6度担任していますが,全国1位というのはこの学年だけで,もちろん,Tさんは,その中で優秀な生徒だったということは申すまでもありません。
新婦Sさんのお父様が本校の卒業生であると聞いて驚きましたが,新婦のお父様と新郎のTさんは,母校,愛光学園の教育方針をよく覚えていてくださっていることと思います。
愛光学園の教育方針は,「世界的教養人としての深い知性と高い徳性を兼ね備えた愛と光の使徒,つまり広く社会のために尽くす人を育成すること」であります。
新郎Tさんと新婦のお父様が,「世界的教養人,ひいては愛と光の使徒」でいらっしゃるかどうかは,新婦Sさんが最もよくご存知のことと思います。