学校の教育は"Life Education"(生命教育)を中核とし,責任感のある,主体的かつ積極的に活動する利他の精神を持った生徒を育てることを目標としている。この生命教育がうまく達成されないとあらゆる教育が価値のないものになってしまうと考えられている。
本校では,宗教・倫理教育がこの"Life Education"(生命教育)の役割を果たしていると言えるであろう。
映像による学校説明の後,学校長の案内で,校内の見学をさせていただいた。香港やマカオの学校と同様,教室には教育機器がしっかりと備え付けられている。高校物理の授業にお邪魔したところ,日本語で歓迎の挨拶を受けた。日本語と英語で自己紹介をしたが,やはり台湾の言葉をしっかり覚えて訪問すべきだと感じた。「ニイ ハオ」と「シェ シェ」だけでは申し訳ないという気持ちになった。
道明中学・高等学校では芸術,特に音楽に力を入れている。生徒の希望によって個人レッスンを受けることが可能で,専用のレッスン室があるのには驚いた。実際に様々な楽器の特訓を受けている生徒を見せていただいた中で,ある女子中学生の琴の演奏が印象に残っている。
学校全体を見学するのに何時間もかかったが,掃除が徹底しており,ごみ一つ落ちていない廊下に,この学校の素晴らしさを見た。
1クラスの人数はほぼ本校と同じだが,1日の時間数は50分の8時限授業でハードである。ただ,お昼の12時から午後1時半まで食事と昼寝の時間があり,午後の授業に備えているとのことであった。日本では聞いたことがないユニークな試みがなされている。
さらに,台湾の教育のポリシーとして軍人教育が政府の援助で行われている。11人の士官がこれを担当しているそうだ。実際の授業を見せてもらいたかったのだが,時間の関係で今回は無理であった。
また,学校案内をしていただいた後,張学校長と英語教諭から本校と姉妹校の提携を結びたいという申し出があった。宿題として持ち帰ることにしたが,本校の国際交流委員会を中心に前向きに検討したいと考えている。
夕方に張校長の案内で高雄の港を訪問し,綺麗な夕焼けを楽しんだ。その後,高雄で一番高い(tallest)ビルのレストランで夕食をご馳走になってホテルに帰り,帰国に備えた。翌朝の7時にホテルを出発しなければならなかったからである。
30日の早朝,タクシーで空港に向かい,成田,羽田経由で松山に帰ってきた。帰りの飛行機は気流のせいか,行きよりもスピードが速く,思ったよりも早い時間に成田についた。
いつものことであるが,成田に到着すると,羽田までの1時間半が無駄な旅のように思えてならない。しかも3,000円の交通費がかかる。さらに,飛行機の接続が悪いために,松山に到着したのは,午後9時であった。
香港,マカオに続く今回の学校訪問で,愛光学園の雰囲気をもっとカトリック的なものにすること,さらには,宗教・倫理教育の重要性を再認識すること,教育機器の充実を急ぐこと,姉妹校提携を図るなど,いくつかの今後の課題を見つけることができたことが成果であったと思う。