第58回体育大会を5月16日(日),晴天の中で実施した。5月に実施するのは昨年に引き続いて2度目である。9月に実施していた体育大会を5月に移動したのには,三つの理由がある。まず,熱中症の予防,そして9月の天候不順,さらに,受験を控えた高3生への配慮である。
わたしは3年前の8月に校長に就任したため,就任後すぐに体育大会を迎えた。当時は9月開催だったからである。ところが,体育祭当日,開会式直前に雨が降り始めた。天気予報から雨が降るということはある程度予想していた。朝から降っていれば,延期を考えたのだが,早朝には,雨は降っていなかったので,関係部署で検討の結果,何とか開催できると判断して実施を決めた。途中で雨脚が弱まったり,強くなったりする中を,プログラムに従って種目を進めていった。何度か雨脚が強まり,教員の中にも,途中で切り上げることを提案する者もあった。しかし,生徒の側からしてみれば,途中で中止すると不完全燃焼になることは明らかなので,できる限り,続行を考えた。かなりの降雨となったため,一部の種目をカットしたものの,最終の種目まで実施した。グラウンドにできた水溜りにダイブする高3生を見て,雨の体育大会が一生の良い思い出になってくれれば良いがとは思ったが,そのときは,雨の中を強行したことに対して申し訳ない気持ちを持っていた。
以前の「ひとりごと」でも触れたが,後日,高3生から,「雨の中を実施してくださって,ありがとうございます。」というお礼の言葉を言われたときに,少し肩の荷がおりた。
そして,翌年に当たる昨年度から,上記の三つの理由で5月へと体育大会を変更したのである。
当然,さわやかな五月晴れを期待していたのであるが,何と,昨年も雨天であった。早朝は前年同様雨が降っていなかった。関係部署で検討の結果,実施を決定してグラウンドに出たとたん,雨が降り始めた。しかも前年の雨に加えて風が強かった。少雨続行を決めていたので,そのままプログラムは進めた。途中,高3生のアトラクションを繰上げて実施した。その理由は,アトラクションで使用する太鼓が雨に濡れるとよくないということと,午後のプログラムが風雨のため実施できなくなる可能性があるということであった。
2年連続して雨の中で実施した体育大会,生徒のそれぞれには,良い思い出として残っているようである。というのは,高2,高3寮生の面談で,「小・中・高の印象的な思い出は何ですか。」とたずねると,何人もの生徒が,この雨の体育大会を挙げるからである。これには少し驚いているが,やはり,体育大会は青空の下で行ったほうがよいに決まっている。
このような経過の中で,今年の体育大会を迎えた。
週間天気予報を見ると,5月16日(日)は,曇りということであった。しかし,4日くらい前であったろうか。チェックしてみると,降水確率70%で,おまけにAの判定がついている。Aというのは予報が外れることが少ないという判定である。