修学旅行の閉校式をドミニカンセンターで実施した。その際,わたしは全旅程について簡単に触れたが,今回の「ひとりごと」で,もう少し詳しく, 54期生の旅について報告をしたい。
今回の引率は学校長として3回目であった。
まず,5日間を通して晴天であったことが何よりも有難いことであった。4泊5日の旅行で,一度も雨に会わないというのは珍しいことである。また,「予定されたことが,予定通りに進むということは難しい。」ということは,行事を企画,運営してみると,誰もが気づくであろう。54期生の旅はすべてのことが計画通りに進んだことにおいても,素晴らしいものであったと言える。
○初日
羽田と旭川の飛行場に着陸後,キャビンアテンダントが本校の生徒に搭乗の御礼と北海道での旅を楽しんでほしいと挨拶をした。それに対して,生徒たちはそれぞれ,拍手で応えていた。このような拍手はこれまでに経験がなかったが,生徒の素直な気持ちが表れていて,素晴らしいと思った。
旭川飛行場に降り立ったときには,南国に来たのではないかと錯覚するほど暑かったことが印象に残っている。最初の訪問地,黒岳にロープウエイで登ったところで,やっと北海道独特の涼しさを味わうことができた。
黒岳には,残雪があったために,生徒たちは雪合戦をやるだろうと外を眺めていると,今年は女子生徒たちがまず雪合戦を始めた。昨年度は風雨が強く雪合戦どころではなかった。一昨年度は暖冬のため,雪が残っていなかったので,生徒たちの雪合戦を見るのは久しぶりであった。54期女子生徒のパワーの一端を見たような気がした。
ホテルでは,毎年,夜中に見回ることにしている。昨年度,廊下の見回りをしていると,生徒の部屋のドアが静かに開き,一人の男子生徒が廊下に出てきた。わたしの姿に気づき,「チュータ先生や!」と一声上げて,あわてて部屋に入り,ドアを閉めた。ホテルの部屋は同じような形状をしており,距離があったため,どの部屋のドアが閉まったかということまでは分からなかった。
後日,高2寮生の面談をしているときに,一人の生徒が,「あれは,ぼくでした。」と明かしてくれたが,生徒たちはとにかく元気である。
今年は,このようなことがないようにと,出発前に注意をしておいたせいか,生徒は一人も起きてこなかった。不思議なもので,誰も起きていないというのは,当然のことであると思いつつも,少し寂しく感じるというと不適切な発言になってしまうであろうか。