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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第314回(3学期始業式講話(2))

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自分たちが教育を受けた目に見える校舎はもう存在していませんが,「われらの信条」は,しっかりと心の中に残り,今もその精神の素晴らしさに心を打たれるのだと思います。

同窓生のそれぞれが,「世界的教養人」,そして「愛と光の使徒」を目指して努力してきたことを実感しているのではないかとわたしは想像しました。

初代校長田中忠夫先生は「世界的教養人」について,大変分かりやすく,「社会が愛光学園に期待している第1のことは,一流の国立大学にも入学し得る深い知性と,世界のどこに出しても恥ずかしくないような高い徳性を涵養することであると考え,これをわれわれは世界的教養人という標語で要約した。」と説明をしています。

「愛と光の使徒」については,愛は心で感じるものですから,心の教育,すなわち,徳性を養うこと,そして,光は頭の部分を指すので知性を養うと考えれば,愛光学園は高い徳性と深い知性の学園という言い方もできるでしょう。

しかも愛と光のではなく,愛と光の使徒ですから,知性と徳性が自分だけで完結してはならない,磨かれた知性と徳性を世の中に広く伝える義務を持つのが使徒ということになるでしょう。さらに付け加えれば,使徒とは,利他の精神,Give and Give の精神,人助けたらわが身助かる,の精神を持った教養人ということです。つまり常に自分の周りの他人の存在を意識し,さらに,人様のためにということを考えることができる人間が使徒であろうと思います。

それでは,なぜ,そのような他人に対する心遣いが必要かと言いますと,利他的な心を少しずつでも使えば,人間の心は次第に入れ替わってくるからです。そして,小さな親切でなら,誰でも人を助けることにチャレンジできるはずです。人を助ける心を涵養すると,心が晴れ,心が勇んできます。人間は人を助けることに生きがいを感じるように神様から創造されているのではないでしょうか。他人のためにということを考えることのできる人間を使徒というのだとわたしは考えています。

ほんの小さな利他的行為を皆さんが積み重ねてくださることを願っています。

最後に53期高3生の皆さんにお願いをしておきます。

入試については,これからさらに厳しい状況が続くと思うのですが,その先に皆さんの合格を,祈り,喜ぶご家族や先生方,先輩,後輩がいることを忘れず,同胞の力を糧として頑張っていただきたいと心から願って3学期始業の挨拶といたします。


2013年1月

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