(中学の内容と異なる部分のみ,掲載します。)
高校時代は,自分が世の中に出たときに,どのような形で社会に貢献していくかという方向を決める大切な時期であります。そして,高校を卒業して大学に入学すると,今度は現実の社会に通じる現場力を身につけることができるように,より具体的な計画を立て,自らを鍛えていく必要があるのです。
皆さんは,高校生ですから,もうすでに夢やvisionを持っているかも知れませんが,ノーベル物理学賞を2002年に受賞した小柴昌俊氏は,新聞のインタビューで,「自分がやりたいことを見つけるのが一番大事。それができればもう心配ない。困難が起きても乗り越えられる。」と述べています。また,同じくインタビューで,2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏は,「夢を目指すうえで大切なことは何か。」という問いに,「自分があこがれる具体的な人や対象を見つけること。あこがれの対象を調べて,知識を得ると,ロマンがもてて,目標に近づける。」と答えています。さらに,益川氏は,「15歳のころは明確な目標に向かって勉強したのか。」という問いに,「いろんなことに興味をもつ「浮気心」があった。勉強すると,いまおもしろいこと以外に,もっとおもしろいことが出てくる。何をするか,あまり決めてかからなくていい。」とも述べています。また,研究を楽しむ方法として,「同じくらいの知識をもつ友達と語り合ってほしい。話があっちこっちに飛んだりするけど,エネルギーが出る。」と語っています。
現在,まだ具体的な夢を持っていない人,しっかりと世界的教養人の道を歩んでいってください。努力を続ける中で,夢と出会うことができるのです。その努力が大きければ大きいほど,大きな夢と出会えることになるのではないでしょうか。
そして,夢からvisionに切り替わる時が,やがて訪れるのです。
No vision, the people perish. 「幻なければ民滅ぶ」
皆さんには,日本を,そして世界を牽引する社会のリーダーになってもらわねばなりません。日本の,そして世界の民を滅ぼしてはならないのです。
ここにいる56期生,一人ひとりが持つ夢は異なるでしょうが,友人や先生方との交流を通して,夢の実現に向け,努力を積み重ねていただきたいと思います。