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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(12) ・ ラグビー部県大会 ・ 漢字検定(中2)

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 懐勉...懐中電灯を用いて消灯後に勉強をすること(2)

 ある時,当時の寮務課長から,次のような舎監の声を聞いた。それは,「先生の中に,懐勉を推奨している人がいる。」という不満の声であった。話をよく聞いてみると,寮の舎監が懐勉をしている生徒に注意をしたとき,ある先生が,「懐勉をしても良いから予習や,宿題を終わらせるように...。」と指示をしたというものであった。舎監は「寮として困るので何とか改善してほしい。」と厳しい口調でさらに付け加えたという。もっともな話である。

 この話を聞いて,はたと思い当たることがあった。英語の授業中に,予習をしていない生徒がおり,わたしが,この生徒に向かって,「予習をやらずに授業に臨むとは何事か。」と問い詰めたのである。すると,その生徒は,「他の教科の学習をしていたので,気が付いた時には消灯時間になってしまい,英語の予習をする暇がありませんでした。」と言い訳をした。わたしは,すかさず,「その日にやるべきことを終えずに,就寝するとは何事か。やるべきことは,どんなことをしてでも終わらせるのが男というものではないか。」と切り返した。ここまではよかったのだが,言わずにおけばよいものを,最後に「懐勉でも何でもやって終わらせてこい。」と一喝したのである。

 この言葉をおそらくその生徒は懐勉をやってよいと受け止めたのであろう。こうなると問題は懐勉をした生徒にあるのではなく,言った自分の方にあると言ってよい。

 叱る時は,よほど言葉を慎重に選ばないと,このような結果になることがよくある。間違った叱り方をすると,何のために叱ったのか分からないだけでなく,かえって逆効果になってしまうことを教えてくれる例となってしまった。

 最近職員室で懐勉の話を聞くことがなくなってしまった。少し寂しい気がするというと,またお叱りを受けるだろうか。

2013年1月

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