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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(15) ・ 高2寮生高3寮へ移動

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 合唱コンクール

 合唱コンクールの審査員になってほしいと,中1の学年主任である藤村浩一先生から依頼を受けた。

 わたしは演奏会とか様々な行事を企画するのは嫌いではない。しかし,審査は不向きだと思っているのでお断りしようと思ったが,他にも数名の審査をする先生がいると聞いて引き受けることにした。中1生の発表を聞いた後,次のようなことを思い出したので紹介したい。

 これまた前任校での話で恐縮だが,当時,高校の全クラスが半日かけて合唱コンクールを行っていた。ある時高等部長から,司会者のいない合唱コンクールはできないものかと相談を持ちかけられた。難しい注文だと思いながら,いろいろ思いをめぐらした結果あるアイディアが浮かんだ。

 それは,OHP(オーバーヘッドプロジェクター)を利用するものであった。舞台の後ろと両袖にパネルで反響板を作り,その両袖の反響板にそれぞれ斜めにパネルのスクリーンを取り付け,そこに2台のOHPを用いてクラスや曲名を映し出すのである。高等部長に話すとそれはおもしろいということになり,体育館の中に舞台と反響板を作ることになった。出来上がった舞台をみて驚いた。ちょっとした劇場である。技術や美術の先生方が精魂こめて作り上げた傑作であった。

 舞台は整ったが,果たして自分の考えたアイディアが,生徒や教員に感動を与えうるかどうか不安であった。

 生徒の代表を集め,解説を加えなくとも,皆が一目でわかるOHPのシートを作成してもらいたいとOHP用シートとオイルペンを渡した。

 出来上がったOHPのシートを見て感心した。生徒の中には素晴らしい能力を持った者がたくさんいる。歌のタイトルだけでなく,その歌に合った絵が見事に描かれている。このOHPのシートを見て,合唱コンクールは必ず成功すると確信した。

 いよいよ司会者のいない合唱コンクールが始まった。左右のOHPが交互にまた同時にクラス紹介や曲の紹介をする。OHPを操作する生徒は,映写のタイミングを何度も練習していたため,見事な連携で次々にシートを映し出すのである。聴衆は色彩豊かなOHPシートを見て,次にどのクラスがどんな内容の曲を歌うのか瞬時に理解できた。

 すべての発表が終わり,初の司会者のいない合唱コンクールに多くの生徒が喜んでくれた。そして,高等部長の満足そうな顔を見て,係の生徒と共に握手をして感動を分かち合ったことをつい昨日の出来事のように覚えている。

  つづく

2013年1月

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