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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(17) ・ 午後の中1寮学習室

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 個人面談

 クラス担任は生徒との個人面談を1年間に生徒一人につき最低3回は行うことになっている。寮生の面談は寮で,自宅生の面談は昼休みや放課後の時間を利用して学校で行うのだが,授業をした後に行う面談は担任にとってかなりきついものがある。しかし,面談は学級運営のためにとても大切なものなので,担任は進んで寮に出かけるし,また学校で行う面談にも力が入る。

 その面談の中で,中学生から次のような質問を受けたことがある。それはどのようにして友人を作ったらよいかというものであった。友人が少ないことに悩んでいるこの生徒に,わたしは次のような話をした。

 ある商人の店が倒産寸前になった。そこで商人は経営の神様と言われる人に助言を求めたところ,たった一言「物はみな低いところに集まるのですよ。」と諭されたという。これを聞いた商人は,店に帰ると,早速使用人と一緒に朝の掃除をしたり,夕方も使用人が帰るまで店に残るなど,自分の心を低くし,謙虚にすることを心がけた。すると不思議なことに店の経営は持ち直し,その後店は素晴らしい発展を遂げたという話である。

 この話をした後,大きめの問題集を斜めにして,その上を鉛筆をころがして見せた。当然鉛筆は高いところから低いところへと落ちる。これを何度か繰り返すと鉛筆が同じところに何本も集まる。集まった鉛筆を指さしながら,まだこれだけではよく納得できていない生徒に向かって更に次のように付け加えた。

 物だけでなく,人も,実は低いところへ低いところへと集まってくるのではないだろうか。周りを見渡してみて,友人の多い人を観察してみると,彼らは偉そうな振舞をしていないことが分かるであろう。だから,自分に友人が少ないと思う時は,自分が偉ぶっていないか考えてみてはどうかと述べた。またじっと待っていても向こうから友人が近づいてくれるケースは少ないから,謙虚な心で自分のほうから積極的に人に話し掛けていくとよいと助言した。

 この瞬間緊張して聴いていた生徒の顔がほころんだ。

つづく

2013年1月

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