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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(38) ・ 英語検定(2級)

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 自己を高める

 「生徒は教師を選ぶことができない。また教師も生徒を選ぶことができない。教師と生徒の出会いはまさに運命的なものと言えよう。」

 これは以前,『ひとりごと』の中で述べた文言である。この地球上に生を受けた60億の人間の中で,日本という国に生まれ,さらに愛媛の松山の地にいるというのも不思議と言えば不思議である。しかも,その中の愛光という学校で担任とクラスの生徒という形で出会うのはいかにも不思議な縁と言えるのではないだろうか。

 よくご父母から,「うちの子供は某先生とそりが合わないもので....」という言葉を聞く。

 その時,わたしは即座に,「そのような先生こそお子さんが学ぶべき人ですよ。」と返答する。

 それは,自分を人間的に高めようとすれば,自分と気が合う人よりも,むしろ,自分と何となくうまくいかない人の考え方から学ぶことのほうが多いからである。もちろん,気の合う人とうまくやっていくほうが,話は早く進むし,気分的にも楽しい。しかし,落ち着いて考えてみると,うまく事が運んで気も楽に思える一方で,自分への批判もなく,現状のままで,少しも成長のない自分に気が付く。

 人は読書によって,自らを高めるとよく言われるが,読書以外に,考えの異なったいろんな人々と直接接触することによって自らを高める方法もある。

 意見を異にする人と議論をしていると,事はなかなかはかどらないように思えるが,しばらく時が経過すると,自分のいたらなさに気付いたり,新しい考えに触発され,ひとまわり自分が成長した実感を得るのである。いわゆる許容力の増大した自己をそこに見いだすとでも言えばよいだろうか。

 生徒が教師を通して立派な人間に成長するのは,教師のもつさまざまな人格に直接触れるからである。もちろん,教師も生徒を通して,より人間的深みのある人格を形成しているのであるが。

 

2013年1月

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