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チュータのひとりごと

2002年3月アーカイブ

  卒業式(4) 

 この29期に在籍していたのが,現在高2の英語を担当している竹村司郎先生である。竹村先生は生徒として,全国のトップになるためには,何をどのようにしなければならないかを身をもって体験した一人である。

 この29期生はダブル受験を経験したラッキーな学年でもあった。すなわち,東京大学と京都大学の両方を受験できたのである。今でも前期,後期というパターンは残っているが,このダブル受験はシステムが全く異なるものであった。東京大学の理Ⅰと大阪大学の医学部に合格して大阪大学の医学部へ進学した生徒もいた。

 ダブル受験であるから次から次へと合格の連絡が入った。各大学の合格発表日に5人の担任が宿直室の電話の前に座り,毎日「カツ丼」を食べながら朗報を待ったことが,つい昨日のことのようである。東大の合格発表の日(最終合格発表日)には「カツ丼」をすべて平らげてしまうことはできなかった。毎日続けて食べたことで,さすがに飽きてしまったのである。

 「カツ丼」を食べ続けたのは,学年主任の湯山秀俊先生をはじめ,クラス担任である堀本邦雄,和田隆一,平岡道雄の4人の先生方とわたしであった。

 29期生がかなりの成績を収めたことで,次に中3(33期生)を担当したとき,更に実力のある生徒を育てようと思った。欲が出たのである。そこで,教材に一段とレベルの高いものを使い始めた。この時,生徒とのコミュニケーションを図るよりも教科の指導に重きを置いたような気がする。生徒に実力をつけようとするあまり,自分のスタイル「先ず人間関係を大切にすること」を忘れてしまったのであろう。

 この期を4年間担当したが,結局,英語では,個々の生徒は別として,全体として思うような結果は残せなかった。

  つづく

 
卒業式(3)

 25期生を送り出して,希望どおり中3の担任になった。29期生である。この学年では,生徒に英語の実力がつくと思うことは,どんなことでも試したことが記憶に残っている。愛光での「チュータブック」を作成したのもこの期である。無茶ではないかと思われるくらい生徒に英語を勉強させたが,わたしも教材作りに燃えた。他教科の先生方から,英語だけ勉強させてよいのかという苦情が出たくらいであるから,どの程度英語の学習を生徒に要求したか,容易に想像がつくであろう。

 わたしはこの29期から英語のR(リーダー)を担当することになった。それまでは,英語のGC(グラマー & コンポジション)を指導していた。リーダーを初めて担当するということも手伝って指導に力が入った。

 こうして29期生と共に歩み始めてから2年間が経過し,高2の校外模擬試験を受けることになった。この校外模擬試験で驚くべきことが起こった。それは名実ともに関西の実力校であるN校に全体の平均点で1点しか負けていない成績が取れたことである。生徒たちにこれを伝えると歓声が上がった。当時は,N校やK校に,英語の成績で勝るということは難しいと言われていた。

 わたしはこの時,この29期生が英語で全国トップの成績を取る日は遠くはないと確信した。予想通り,高3で受けた校外模試のすべてにおいて,N校を超えた。もちろんK校やL校をも超えていた。ペアーを組んでいた,現在高1を担当している河合審先生と共に喜び合った。生徒たちは自信を持っていた。全国のトップレベルにいることが生徒たちに与えた影響力は,計り知れないものがあった。

 校外模擬試験の結果が返ってくるのが待ち遠しく,事務室に何度も確認に行ったものである。ある時,返ってきた資料を早く見たいと思い,箱を開けて結果を確認してから,箱にガムテープをして元通りにしておいたところ,当時の進学主任の白井照久先生がこれに気付き,厳しく注意を受けたこともあった。それほど結果が楽しみだったのである。

つづく
 

 

2013年1月

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