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チュータのひとりごと

2002年5月アーカイブ

 卒業式(9)
   卒業式シリーズの最終回です。

 この42期の大学入試で実に不思議な体験をした。模擬テストや校内模擬試験の結果から,まずまずの成績を出してくれるだろうと思って,入試の結果を待った。

 前期の発表で,他のクラス,特に文系のクラスはどんどん朗報が入ってくるのに,理系であるわたしのクラスは,どうもパッとしない。結局,前期試験の発表が終わった時点で,国公立の合格者が少ないという悪夢のような結果が出てしまった。わたしは,それまでに5度,高3生を担任として送り出した経験をもっていた。従って進路指導が間違っているとはとても思えなかった。

 前期の結果が出てから,毎朝午前3時に目が覚めた。学年主任として,また,クラス担任として責任を痛感し,気になっていたからである。

 ところが,後期の試験の結果が出始めてから,またまた驚くことが起こった。後期としては驚くほどの人数が合格したのである。わたしのクラスも一応面目を保つ数が出せた。よく生徒たちは頑張ってくれたと感動の涙が出た。正直なもので,翌日から午前3時に目が覚めなくなったことを,付け加えておかねばならないだろう。

 42期でまだ頑張っている者もいる。そのほとんどが医学部の志望者である。来年は何とか合格するよう勉学に励んでもらいたい。努力するしか道はないのである。苦労して勝ち得た栄冠こそ人生の中で燦然と輝くのであるから。

 おわり

卒業式(8) 

 卒業式(1)~(4)はトップページから,5,6,7はチュータ日誌からアクセスしてください。

 41期を離れ,42期の中3を担当した。この学年は中2の時に週1時間ではあったが,英2を担当していたので,全く新しい学年と言うわけではなかった。

 41期のように優しさを前面に押し出すのではなく,大学入試を意識した,少し厳しめの学習指導や生活指導をしたように思う。

 さらに,進路指導では,世の中にどのような形で貢献できるのか,その形を決めるのであるから,自分が興味を持って進むことのできる道を選ぶようにと,よく学年集会やクラスのホームルームの時間に繰り返した。そして,ご父母には,遠慮なく親の希望をご子息に伝えてほしい,しかし,最後の決断は本人に任せてほしい,と付け加えた。

 さらに,受験では決して奇跡は起きない,やっただけが返ってくるのであるから,努力を惜しまないようにと言い続けた。そして,奇跡が起きないからからこそ,人生はおもしろいのであって,人が努力を惜しまないのは奇跡が起きないからであるとも,述べた。

 この言葉を42期の津下到君が答辞の中で引用してくれたことは,まだ記憶に新しい。

 わたしはこの42期の指導の中でチームワークの大切さを学んだ。年長の山一保穂先生,戸田健先生,中堅の安藤直希先生,ヤングパワーの上木裕先生が担任であったが,いつも5人が一緒になって問題を解決した。これを5担任方式と呼んでいた。もちろん副担任の先生方や学年に所属する先生方の力も大きかったが,特に5担任が知恵をしぼって生徒の指導にかかわることができたことが,強く印象に残っている。個性溢れる5人が,一つの問題に向かった時に一つにまとまる,これをチームワークと呼ぶのであろうが,素晴らしい個性を持つ先生方の集まりであったと,当時を思い出すと心地よい気持ちになる。

 つづく    

 卒業式

 41期生を中3まで担当したが,わたしはこの期をできれば高3まで持ち上がりたいと思っていた。ただ問題になるのが,6年間も同じ教員が担当することの難しさであった。そして英語科の教員はこのことをどう思っているのか,教科会で検討をすることになった。

 英語科の中には,6年間同一の学年を担当した経験のある先生方もいた。その先生方は,6年間同じ教員が担当することによる利点よりも,慣れなどによって生じる弊害のほうが大きいと言う意見であった。わたしはこの意見を大切にしたいと思い,41期生を他の先生方に引き継ぐことになった。翌年,地区別懇談会に出席したおり,ご父母から,「先生はわたしたちの学年を見放しましたね。」と言われ,その弁明に苦労したことを覚えている。

 見放したのではなく,結果的にそのほうが良いのだということを分かってもらおうと努力したが,その場では結局理解してもらえなかったような気がする。

 わたしはこの41期の指導にかかわって,中2から中3に持ち上がる時に,難しいと感じたことがある。それは,中1,中2ではどちらかというと,学校に早く慣れてもらうために,自分の持つ優しさの部分を前面に押し出した。「学校が好き」,「学校に来るのが楽しい」,そんな思いを生徒に持ってほしいと願って,指導をした。

 ところが,中3になると,学習面で指導が厳しくなるのと同様に,生活面でも慣れから来るたるみを引き締めるため,厳しい指導が必要になる。だからと言って,人間そう簡単に,優しさから厳しさへ方向転換できるものではない。生徒たちの甘えもある。むしろ,中3から,担当を大きく換えて,大学入試へと向かう姿勢を強烈に打ち出したほうが,教師にも生徒にも良いと直感した。

 わたしは中1,中2は中学部,中3~高3までが高校部という考え方を持つべきだと,この時,はっきりと認識したように思う。
    つづく 


2013年1月

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