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チュータのひとりごと

2002年7月アーカイブ

教務のひとりごと(65)

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 ホームステイ
 
今年も7月28日に,高1生の希望者が,オーストラリアへ語学研修に出かける予定になっている。この研修は今回で4回目になるが,実は,わたしは,この語学研修計画の準備委員長を命じられ,4年前の夏休み中に,初めてブリズベン,シドニー,メルボルンを8日間かけて訪問した。教育研修ということもあって,ブリズベンとメルボルンでは,小,中,高の授業を参観した。

 このプログラムには,ホームステイも含まれており,わたしは男の子が二人いる家庭にお世話になった。

 オーストラリアで話される英語は,アメリカ英語と発音が少し異なると聞いていたが,会話をする時に少し困ることは,エイという発音がアイと発音されることである。

 ホームステイの初日,夕食が終わり,日本の話や,ホストファミリーの話などで会話が盛り上がっている時に,急に男の子の父親が「アイト ダイズ?」とわたしに質問した。わたしは一瞬何を聞かれたのか,とまどってしまった。

 困惑する頭の中で,オーストラリアの英語ではエイをアイと発音するのだということを思い出すのに,しばらくの時間を要した。

 そして,これは Eight days? と聞かれたのだとやっと分かった。つまり,オーストラリアに8日間滞在するのかという質問であった。長い文章の中で,エイをアイと発音されても理解できるのだが,このような短い文の中では,瞬時には,理解できなかったのである。

 オーストラリアの語学学校では,エイをきちんと発音すると聞いていたが,わたしが聞いた限りでは,すべての人が,エイをアイと発音していた。この国を訪れる時には,この発音に慣れておいたほうがよいであろう。

 また,季節については,この時期オーストラリアは冬ではあるが,本校が語学研修を行う都市が,ブリズベンであることもあって,それほど寒くはなく,心配する必要はなさそうである。

 わたしがブリズベンの空港に降り立った時,日本の5月の気候によく似ていると思ったくらいである。

つづく

 1学期最終の「教務のひとりごと」です。
次回,第66回は9月8日の日曜日に掲載します。 

教務のひとりごと(64)

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 物を大切にする心

 中2生のNHKの基礎英語を指導するために,寮を訪れるとき,寮食をいただくことにしている。

 先日,学習時間に流したNHKの放送の中に,「terrible」という単語が出てきた。「ひどい」という意味で使われているのだが,わたしは,この単語をとっさに次のように説明した。

 「今日の寮の夕食はどうだった。」「Terrible.」

 生徒の間から,笑いが起こった。

 寮の食事については,生徒たちは,いろいろ思いがあるようだ。しかし,本校の寮食は,少し冷めていることを除けば,かなり質の高い食事であり,決して「terrible」なものではないとわたしは思っている。

 寮から自宅への帰り道,自分が幼い頃,牛乳が手に入らなかったこと,バナナが高価で,とても買えるようなものではなかったことなど,貧しかった時代の生活を思い出した。

 わたしと同年代の人なら誰でも経験していることだが,牛乳は,病人の飲み物であり,誰でも飲めるものではなかった。病人の体力を早く回復させるためにのみ存在するものだと,子供心に理解していた。

 そう言えば,食べるものがなくて,芋粥とか野菜の漬物をたらふく食べたことが記憶にある。皿に山のように盛られた白菜の漬物を一人で食べてしまって,叱られたうえに,おなかの調子を悪くしたことが何度もあった。

 米のご飯を腹いっぱい食べることができるようになったのは,わたしが高校時代の頃からではなかったろうか。

 物を大切にする心は,この貧しさの中で養われたものであろう。鉛筆一本なくなったというだけで,大騒ぎになった。

 今の子供は,物の豊かな時代に育っているために,われわれの時代よりも,物を大切にする心を養うのが,難しくなっているのは誰しも感じることである。

 物は無限ではないということを理解しておく必要がある。それと同時に,人と同じように,物にもそれぞれの役割があり,それが十分に生かせるよう,人が配慮しなければならない。そういった配慮が,物を大切にすることにつながっていくのではないだろうか。

 物が豊富な時代だからこそ,物の大切さを教えることに価値があるように思えてならない。


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