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チュータのひとりごと

2002年9月アーカイブ

 ホームステイ(4)  9月22日(日)のつづきです。

 次にアメリカに生徒を引率したのは,本校の生徒と松山市内の公立高校,私立高校の生徒を合わせて,15名ほどのグループであった。

 目的地はカリフォルニア州の州都サクラメントである。サクラメントは,松山市の姉妹都市でもあり,様々な交流が行われている。

 到着して驚いたのは,夏の暑さであった。気温が40度を超えることがあった。生徒たちは午前中の授業が終わると毎日,プールで泳ぐ。ただ,夕方になると,結構涼しくなり,朝方は寒いくらいであった。わたしがホームステイのお世話になった地域では,多くの家庭で夜間,窓を閉めなくてもよいほど,治安の良いところであった。

 恥ずかしい話だが,わたしは家庭では台所に立つことはほとんどない。ただ,この時は,素麺を持って行き,ねぎや豆腐を現地の日本人向けのマーケットで購入し,調理に挑戦した。とても日本料理と言えるようなものではなかったが,家族の人たちはとても喜んでくれた。

 フェアウェル・パーティー(送別会)では,15名の生徒たちと一緒に料理を作り,ホストファミリーの人たちに,もてなしをした。料理の品数と量が少なかったため,すぐになくなってしまって,あわてたことが記憶にある。

 アメリカやオーストラリアに2~3週間,ホームステイして,英語を学習したとしても,英語力が増すわけではない。ただ,言葉にはしゃべるという一面があるのだということを,強烈に意識させられる。しゃべる言語によって意思疎通をすることの大切さを学べば,短期間の留学は成功であると言ってもよいであろう。

教務のひとりごと(67)

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 ホームステイ(3) 9月8日(日)のつづきです。
 

 この時,ホームステイをした家族のことについて触れてみよう。

 ワンブロックが自分の敷地という,当時のわたしには信じられないような広大な邸宅を持つA氏にお世話になった。

 A氏は,かなりの数のテニスコートを持ち,そこから得る収入で生計を立てていたが,収入は相当のものであると聞いた。3人家族で,ハウスボーイが一人いた。車は5台,父親はハリウッドの有名な男優から譲り受けた「ロールスロイス」,母親は「シボレー」,息子は「ポルシェカレラ」,ハウスボーイ用の車もあった。その他に家族で使う車が1台あった。

 居間は120人がディナーパーティーに招待されても,狭いと感じなかったと言えば,その広さが想像できよう。

 プールがあり,もちろんテニスコートもあった。おまけにテニスハウスまでついていた。このテニスハウスがわたしの家よりも広いことが分かって驚いたことは,今でも,はっきりと覚えている。

 ハウスボーイは日本人であった。英語の勉強のためにアメリカにやってきたという。仕事は午前と午後の二回,庭にあるスプリンクラーの栓をひねるだけである。それで月収は,当時のわたしの給料とほぼ同額なのだから,うらやましいというほかない。彼は,英語を学習するために,夜間の語学学校に通っていたが,月謝が25セント(当時90円)と聞いて,これまた大変驚いた。

 アメリカのパワーのようなものを否応無く見せつけられた思いがした。

 アメリカの平等は機会均等である。誰にもチャンスが与えられているということでは,夢をもてる。しかし,その夢を実現させることが,それほど容易なことではないことは,アメリカで暮らしてみないと分からないことかもしれない。

   つづく 
 ホームステイ(2) 
    7月14日のつづきです。

 前回はオーストラリアでの体験について紹介したので,今回はアメリカでの体験を話してみたい。

 わたしは過去に三度アメリカを訪れているが,そのうちの2回は生徒の引率であった。その中で,約30年前に生徒を引率した時の思い出を述べてみよう。

 訪問地はアメリカのロスアンジェルスで,ノースハリウッドという地名であったことが記憶にある。

 訪問校は,ハーバードスクール(ハーバード大学ではない。)である。この学校は中学2年,高校4年の私立中・高等学校で生徒は男子だけであった。この点では昨年までの愛光と似ていると言ってよいであろう。

 先ず授業を見て驚いた。各教室に10名くらいの生徒が集まり,教室の中で輪になって,しきりに討論をしているのである。その討論の中に教師がいる。少人数クラスということを聞いてはいたが,これほどとは思っていなかった。日本では,現在でも,これだけの少人数クラスにはなっていない。

 生徒たちは,とにかく人なつっこく,好奇心が強い。昼休みにわたしのところへやってきて,いろいろと質問をする。ある日,わたしが日本語で手紙を書いていた時,生徒の一人が「鑑賞」という文字を見つけて,その漢字を消すように言った。たまたま鉛筆書きだったので,この二文字を消しゴムで消すと,その生徒が,もう一度「鑑賞」という字を書くように求めた。要望どおり「鑑賞」という漢字を書いてみせると,驚きの声を上げた。複雑な漢字を書けることが不思議でたまらないらしい。そして縦に文字を書いているのを不思議そうに見つめていた。

 わたしは横書きもあると言って,今度は横書きにした。すると生徒の一人が,「斜めには書かないのか。」と尋ねてきた。冗談で言ったのかもしれないが,疑問に思うとすぐに尋ね,理解しようとする。このように,何でも吸収しようとする姿勢は,われわれも学ばねばならないと思った。

 もう一つ驚いたのは,教卓に足を投げ出して,授業を受けている生徒がいたことである。教師はこの態度について生徒に注意する様子は全くなかった。日本では考えられない光景であった。

  つづく


2013年1月

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