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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(85) ・ 合格者連絡会

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卒業生の胸に光る赤いバラのリボン

卒業式が2月1日(土)に終わってから,早くも2週間が過ぎた。高3生はまもなく国立大学の2次試験を受験する時期になり,すでに私立大学の入試は始まっている。

彼らが3年間あるいは6年間,本校で学んだ力を遺憾なく発揮することを切に願っている。

今日は,卒業生が卒業式の時に胸のポケットにさしていたバラのリボンについて,そのきっかけとなった出来事について触れてみたい。

わたしが担任として高3卒業生を送り出したのは,23期生が最初であった。その時は無我夢中で,何も考える余裕などなかった。

29期生であったと記憶しているのだが,高3卒業生を送り出すのに,何か担任としてできることはないだろうかと思案する中で,黒の学生服のポケットに白いハンカチを入れてはどうかということを思いついた。

ところがクラスの生徒全員のハンカチを注文すると,担任が生徒にプレゼントするには少々高価なものになることが分かった。デパートの中をできるだけ安いハンカチを求めて歩いていると,店員がこれはどうかと差し出してくれたハンカチを見て驚いた。上の部分のみハンカチで下は紙でできている胸ポケット用のハンカチであった。これをクラスの生徒の人数分購入し,卒業式当日に生徒にプレゼントした。最初のうち,ハンカチを胸に入れることを恥ずかしがる生徒もいたが,クラスの生徒全員がポケットに白いハンカチを入れ,式場に入場する姿を見て心から誇らしく思えた。

当時は若いこともあって,自分のクラスのことしか考える余裕がなかった。ところが,あることがきっかけで,S先生がこのことを職員会議の議題として取り上げてくれた。このような企画?を学年全体に広げてはどうか,また,ハンカチではインパクトが弱いので,バラのリボンにしてはどうかということで,現在の赤いバラのリボンに決まったのである。わたしは卒業生に対するクラス担任のお祝いの気持ちを,ささやかなプレゼントで表したいと思っていたのだが,よく考えてみると,自分のクラスだけがそのようなことをするというのも,確かに問題があると思ったので,好意を喜んで受ける気持ちになった。

毎年,卒業生が胸のポケットにさした赤いバラのリボンを見ると,その昔,ポケットにハンカチを入れて入場した生徒たちのことがなつかしく思い出されるのである。

 


2013年1月

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