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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(94)

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わたしが東大に合格させた(?)たった一人の生徒(2)

 ある日,わたしは,彼が一橋大学に手続きをしたのだろうと思いながらも,何となく気になって電話をかけた。すると彼は慶応大学に手続きをして,下宿先も決めて帰ってきたということであった。

 もし彼が一橋大学に入学の手続きを終えていれば,東大の後期の受験資格を失うことになる。すなわち,前期で合格して手続きをすると,後期の試験を受けることはできないということである。前期と後期の両方を受験できるのではないということであり,これは今も変わっていない。

 彼が慶応大学に入学の手続きをし,一橋大学に手続きをしなかったことで,東大の後期の受験資格が残った。しかも,彼はセンター試験で高得点を取っていたために,第1段階選抜をクリアーして,東大後期受験の有資格者であった。(東大は前期の合格者発表と同時に,後期で受験できる生徒を発表することになっており,彼はその中に入っていたということである。)

 わたしは彼の話を聞いて,すぐに東大の受験をするように勧めた。ところが,彼は父親と上京し,すでに慶応大学の手続きを終え,下宿まで決めていたため,東大を受けるつもりはないとわたしに告げた。また,彼は,東大を受験するとなると,列車の予約やホテルの手配をしなければならないと言ったが,わたしは,列車の予約とホテルの予約はこちらでするから,何としても東大を受験するように説得した。
 
 この電話を切れば,それでおしまいだと思ってとにかくねばった。電話の近くに彼の父親がいたようである。どうやら電話の向こうで父親も東大受験を勧めてくれたようだ。

 ついに彼は受験を決意した。列車とホテルの手配は,父親がしてくれることになった。そして,急なことであったので,父親が付き添うことになった。
     つづく

2013年1月

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