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チュータのひとりごと

2003年7月アーカイブ

教務のひとりごと(101)

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興居島への遠足(2)

 このTさんに,船を船越(フナコシ)まで回してほしいと頼んだ。興居島中学は船越にあり,この船越に夏だけ海水浴客が乗降する港があった。

 船の定期航路を変更して,船越へ着けてくれと頼むのであるから,今考えると無茶な願いである。しかし,わたしは雨がかなり強く降る中,200名の中学生を2キロ歩かせることは健康上問題があると判断したので,船を回してくれるように頼んだのである。

 Tさんから船長に頼んでみるという返事をもらって,しばらく電話口で待っていると,船長の判断で船を回してくれることになった。興居島中学から船越の港まではわずか50メートル,船が近づいてくると生徒たちは歓声を上げた。興居島中学の先生方も,船に乗っている島民も,一様に驚いていたが,200名の子供たちのために,人が動いてくれた。今でも興居島中学の教頭先生の配慮と,島の人たちの協力に感謝をしている。

 学校に帰って遠足の報告をすると,2代校長,門屋方典先生から,「君は定期航路の行き先を変更してもらったということだが,どのようにして,そんなことができたのかね。」と質問を受けた。わたしは,「船長が200名の生徒たちのことを思って決断してくれました。」と答えると,校長先生はにっこり笑って,その後はこのことについて何も話をされることはなかった。

 この後,門屋校長が興居島中学校の校長にお礼の電話をしてくださったという話を聞いた。

   終わり


 1学期の「教務のひとりごと」は今回で終了です。第102回の「教務のひとりごと」は2学期の9月7日(日)に掲載する予定です。

興居島への遠足(1)

 先日,用があって,生まれ故郷の興居島を訪れたが,帰りが遅くなってしまい,最終の船に乗り遅れてしまった。そこで,海上タクシーを利用して高浜港へ帰ることにした。途中,島の明かりを眺めながら,ふと,本校の中学生を興居島へ遠足で連れて行ったことを思い出した。

 41期生か42期生かは忘れたが,中学生を遠足に連れて行くことになった。遠足の目的地を興居島にしたのは,この島がわたしのふるさとであるからではなく,忽那七島の一つであり,素晴らしい景観を持つ島であったからである。

 この遠足の途中,雨が降り始めた。雨を避ける場所がないため,わたしは興居島中学に200名の生徒たちを連れて行き,教頭先生に,雨が降ってきたので,雨宿りをさせてほしいとお願いをした。もちろん,わたしが興居島中学の卒業生であることも付け加えた。先生は,快く引き受けてくださり,体育館を提供してくれた。体育館に入って驚いた。まだ,落成式が終わっていない,新築の体育館であった。後で分かったことであるが,新築されてから,興居島中学の生徒が一度も使用していない体育館を利用させてくれたとのことであった。しかも,昼食も,そこで取るように配慮をしていただいた。

 昼食を終えて,しばらく待ったが,雨は止みそうにない。港までは興居島中学から約2キロ歩かなければならない。そこでわたしは,興居島中学の職員室で電話を借りて,島の船会社に電話をした。この会社には同級生のTさんが事務員として働いていた。

   つづく

2013年1月

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