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チュータのひとりごと

教務のひとりごと(101)

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興居島への遠足(2)

 このTさんに,船を船越(フナコシ)まで回してほしいと頼んだ。興居島中学は船越にあり,この船越に夏だけ海水浴客が乗降する港があった。

 船の定期航路を変更して,船越へ着けてくれと頼むのであるから,今考えると無茶な願いである。しかし,わたしは雨がかなり強く降る中,200名の中学生を2キロ歩かせることは健康上問題があると判断したので,船を回してくれるように頼んだのである。

 Tさんから船長に頼んでみるという返事をもらって,しばらく電話口で待っていると,船長の判断で船を回してくれることになった。興居島中学から船越の港まではわずか50メートル,船が近づいてくると生徒たちは歓声を上げた。興居島中学の先生方も,船に乗っている島民も,一様に驚いていたが,200名の子供たちのために,人が動いてくれた。今でも興居島中学の教頭先生の配慮と,島の人たちの協力に感謝をしている。

 学校に帰って遠足の報告をすると,2代校長,門屋方典先生から,「君は定期航路の行き先を変更してもらったということだが,どのようにして,そんなことができたのかね。」と質問を受けた。わたしは,「船長が200名の生徒たちのことを思って決断してくれました。」と答えると,校長先生はにっこり笑って,その後はこのことについて何も話をされることはなかった。

 この後,門屋校長が興居島中学校の校長にお礼の電話をしてくださったという話を聞いた。

   終わり


 1学期の「教務のひとりごと」は今回で終了です。第102回の「教務のひとりごと」は2学期の9月7日(日)に掲載する予定です。


2013年1月

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