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チュータのひとりごと

2003年9月アーカイブ

高3アトラクション(1)

 第51回体育大会は心配した台風の影響もなく,全種目を実施することができた。今年の体育大会についてホームページで紹介しようと写真を撮り始めたところ,終わってみると,結局全プログラムの写真を撮っていた。

 プログラムの中に競技ではないが,高3アトラクションという大きな種目がある。

 高3生は文化祭に参加をしないため,準備期間中はこの高3アトラクションの練習に専念できるが,企画から発表までわずかに一週間しかないため,この短期間に仕上げるのは,容易なことではない。

 担任も加わり,いろいろと脚本を考える場合もあるが,ほとんどのケースは生徒だけで内容を考え,作成する。ただ,生徒だけに任せておくと,観客からひんしゅくを買う内容のものが出る可能性があるため,体育科と高3担任団で内容のチェックをすることになっている。

 以前には,このアトラクションが点数化されたことがあった。その当時の思い出を書いてみよう。

 様々な経緯から,高3アトラクションで寸劇をやらないということが決められていた時代がある。当然ダンスが中心となり,どのクラスもダンスの演技を競いあった。ところが,わたしのクラスでは,全生徒が集まり相談をしたところ,新体操をやってみようということになった。たまたま,ご父母の中に体育の先生がいて,指導をしてくださることになった。女子の体操部のある学校にまで出かけ,新体操の演技の指導を受けたようである。どのようなことになるのか,楽しみと不安が入り混じった1週間が過ぎた。

 教室では青いビニール製のごみ袋をつなぎ合わせている生徒がいた。何のためにこのごみ袋が必要なのか,リハーサルを見て分かった。
  つづく
「進みてある教師のみ人を教うる権利あり」(2)

 8月末に行われたオープンスクールで,本校の教員が作成したガイドブックを展示していた。総務部から依頼を受けて,英語科と数学科の教員が作成したガイドブックを集めたものである。このガイドブックの作成も,実は,教員が充実感を味わう一つの方策であろう。

 昼休みのチェックも,教師の立場からすると,自分を奮い立たせるために工夫したものであると言える一面を持っているのではないか。

 古き良き伝統を引き継ぎながら,そこに自らの工夫を加える,それらの行為が学校を常にフレッシュな状態に保つのである。今日の自分が明日の自分と全く同じであってはならない。

それでは,教師が充実感を味わえば,それで事がうまく運んでいることになるのであろうか。いや,決してそうではない。

やはり,自らの工夫によって,自らが設定した目標に到達しなければ,満足のいく指導をしたとは言えまい。学業に関して言えば,校外模試がその成果を計る一つの方法であると言える。

校外模試の結果に一喜一憂する必要はないかもしれないが,自分が教科の指導者としてどのような道を歩んでいるのかを知るよい機会となる。

校外模試の結果から指導者は多くのことを学ぶ。どの分野の指導が十分で,どの分野の指導が不十分であったかを分析し,次への指導へとつなげていくことができるからである。そして,結果を常に謙虚に受け止め,努力を重ねる姿勢を持ち続ければ,結果はおのずからついてくるものである。

「進みてある教師のみ人を教うる権利あり」

わたしは,全人教育論を提唱した故小原國芳先生のこの言葉を座右の銘にしているが,生徒の立場から言えば,「進みてある生徒のみ,学問をする権利あり」とも言えるのではないだろうか。

  おわり
「進みてある教師のみ人を教うる権利あり」(1)

 高校野球を見ていると,プロ野球を見ているのとは違った楽しみがある。その決め手になるのが,高校生の「ひたむきな態度とさわやかさ」である。全力で白球を追い,たとえアウトになっても全力で走る。

 プロ野球は技と力を楽しむスポーツであるが,高校野球は球児の真剣な態度に心打たれるスポーツであるとでも言えばよいであろうか。

 高校野球は,予選の時から,1度負けてしまうと,それで1年が終わってしまう。リーグ戦とトーナメント戦の違いがプロ野球と高校野球の差になっているとも言える。

 さて,本校の生徒たちが目指す大学受験はどうであろうか。大学受験は,前期試験と後期試験があるから少なくとも2回はチャレンジの機会があるが,愛光生の場合,6年間(高校編入生は3年間)在籍した後に,たった2回しか機会がめぐってこないことになる。従って,現役生徒の機会という点について言えば,実に厳しいことが分かる。この2回の入試で不合格になると,1年間その機会はやってこないので,生徒,教師,父母が三位一体となって力を入れるのであろう。

 スポーツも学問も,積み重ねがあって,大きく伸びるのである。本校の英語で言えば,中1,中2で中学課程を,中3,高1で高校課程を,そして,高2,高3で大学入試実戦対策をする。このシステムが有効に働いて初めて,良い結果が出る。愛光の英語科では,それぞれの段階で何を指導するかを,教員全員がよく理解し,どの教員がどの学年に配属になっても,基本的な指導がシステムとして同じになるようにしている。その上で,それぞれの教員が工夫を加えるのである。

 わたしは,この個々の教員の工夫は,結果として,教員自身が充実感を味わうものでなければならないと思っている。「何でこんなことを」と思いながら,いくら努力をしてみても成果があがるはずがない。

  つづく

2013年1月

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