採点(1)
考査が終了した後,生徒はほっとするが,教師には採点という二文字が待っている。教師に採点がなければ仕事は半減すると言っても過言ではないと思う。それほど,問題作成と採点には労力を必要とするのである。
教師は,重要な学習事項を教えているときに,この問題をテストに出題しようと心に決めているケースが多い。したがって,教えるときに自然に力が入る。このことに敏感な生徒は,トーンが高くなったり,説明が何度も繰り返される事項に印をつけることを忘れない。
わたしは,「この問題を出題しなければ英語の教員ではない。」とまで言って,生徒にヒントを与えることがある。そして,その問題を約束どおり出題すると,生徒全員が正答を書くだろうと期待するのだが,不思議なことにそうはならない。教師の言うことを全員が聞いているわけではないと言うことになるのであろう。だからこそ,教師はいろいろな方法を用いて生徒の記憶に残るよう工夫しなければならないのである。
わたしは答案用紙が返ってくると,よほどの理由がない限り,他のすべての仕事をストップすることにしている。チュータ日誌もその例外ではない。答案用紙が手元にある間,全力で採点をする。
先ず,もっとも時間がかかる英作文の問題から採点を始める。以前は2時間から3時間連続で採点をしても疲れることはなかったが,最近は年のせいか,1時間くらいしか連続採点ができなくなってしまった。
生徒が全力で学習をした成果であるテストを教師が全力で採点する,ごく当たり前のことである。もちろん上級の学年になればなるほど採点には時間がかかるので,考査終了後,約1週間の採点期間を設けている。
生徒たちは,考査が終了すると,出来が悪い場合は別にして,できるだけ早く結果を知りたいようである。この期待に教師はできるだけ応えなければならないと,わたしは思っている。
つづく
夏期補習(2)
後期の補習は今年度から,全学年,平常時間割で6日間行うことにした。目的は授業時数の確保で,夏休み中の課題チェックも行われた。
今年は8月下旬に暑い日が多く,体育科の先生方は炎天下のグラウンドで,大変苦労したようである。メリットとしては,体育祭の準備に十分な時間が取れたということであった。
夏休みが長すぎると,生徒たちは生活のリズムが不規則になり,学習もうまくはかどらないケースがあると,よくご父母から耳にする。
これまでの40日間の休日は,生徒自らが計画を立てて過ごすには長すぎるというのが大方の意見である。
他の進学校でも,同じような意見が出されるのであろう。夏休み中に,本校と同様,1週間から2週間の補習日を設定している。
本校の夏休みは,高3生と高1E生を除いて,今年度の場合,32日間であった。
生徒たちには,夏休みの課題として,各教科20日間で終えることができる量を与えているので,12日間を自分の思いのままに過ごせることになる。
しかし,休暇が終わってみると,課題が完全には終了していない生徒も見受けられた。
1か月でも長すぎるということになるのであろうか。しかし,現在,教務では,これ以上休暇を短くする計画は持っていない。休暇をどのように用いるか,生徒それぞれが工夫をし,最大限に利用できることを願っている。
高3生の補習はセンター対策と2次対策,どちらを行ってもよいことになっている。今年は昨年度と異なり,英語,数学,国語はセンター対策を実施することになった。また,センター対策用に1時限を70分とした。
高1E組は,特に数学強化のため,前期に3日間,後期に3日間プラスして特別補習を行い,計16日間の補習を行った。
補習がどのようにすれば,うまく機能するのか,今後も教務の課題として議論していきたい。
おわり
夏期補習(2)
後期の補習は今年度から,全学年,平常時間割で6日間行うことにした。目的は授業時数の確保で,夏休み中の課題チェックも行われた。
今年は8月下旬に暑い日が多く,体育科の先生方は炎天下のグラウンドで,大変苦労したようである。メリットとしては,体育祭の準備に十分な時間が取れたということであった。
夏休みが長すぎると,生徒たちは生活のリズムが不規則になり,学習もうまくはかどらないケースがあると,よくご父母から耳にする。
これまでの40日間の休日は,生徒自らが計画を立てて過ごすには長すぎるというのが大方の意見である。
他の進学校でも,同じような意見が出されるのであろう。夏休み中に,本校と同様,1週間から2週間の補習日を設定している。
本校の夏休みは,高3生と高1E生を除いて,今年度の場合,32日間であった。
生徒たちには,夏休みの課題として,各教科20日間で終えることができる量を与えているので,12日間を自分の思いのままに過ごせることになる。
しかし,休暇が終わってみると,課題が完全には終了していない生徒も見受けられた。
1か月でも長すぎるということになるのであろうか。しかし,現在,教務では,これ以上休暇を短くする計画は持っていない。休暇をどのように用いるか,生徒それぞれが工夫をし,最大限に利用できることを願っている。
高3生の補習はセンター対策と2次対策,どちらを行ってもよいことになっている。今年は昨年度と異なり,英語,数学,国語はセンター対策を実施することになった。また,センター対策用に1時限を70分とした。
高1E組は,特に数学強化のため,前期に3日間,後期に3日間プラスして特別補習を行い,計16日間の補習を行った。
補習がどのようにすれば,うまく機能するのか,今後も教務の課題として議論していきたい。
おわり
夏期補習(1)
今年の夏期補習について,愛光学園校報誌「インテルノス」に掲載する原稿を書くように依頼を受けた。
いずれ発表する内容ではあるが,今年の補習について,この「教務のひとりごと」でも述べてみよう。
昨年度の「インテルノス」に掲載した文でも触れているが,高2以下の夏期補習の問題点となった前期補習の目的を,今年は「期末考査の解説」に絞った。授業を進めると,内容のチェックが2学期になってしまうという問題点が指摘されたからである。
目的を期末考査の解説にしたことで,4日間を設定すれば対応できることになった。基本時間割を1日5時限の特別時間割とし,6時限目を各学年の事情によって補習や「総合的な学習の時間」などに利用する形とした。
これで,生徒たちが期末考査の解説を聞き,各自がもつ各教科の問題点をはっきりさせて,夏休みを迎えることができるようになった。
また,前期4日の間に,中1~中3は技術家庭の実習を行った。今年度新しく企画されたものに,中3生の実習に選択制を採用したことがある。5コース(ロボット・木工・陶芸・イメージ飾画・調理)を設定し,生徒たちが各自の希望で選択した。
調理コースは調理学校に出かけて行うという本格的(?)なものであった。本校の教員が指導にあたるケースもあるが,ほとんど外部講師に依頼する形を取っている。ホームページ用の写真を撮影している最中に,実習中の生徒の顔には,授業中とは違った輝きがあることに気がついた。手仕事が持つ楽しさを生徒たちは,ここで体感しているのであろう。
学習からくる疲労を回復するのに体を休めることも有効であるが,学習とは全く異なった手仕事をやってみるのもよい。
これとは少し異なるが,数学の問題を解いていて,頭が疲れたときに,英単語や*「モデル・センテンス」を暗唱したらよいと,わたしは生徒たちに言うことがある。暗唱はできるだけ短時間に,回数を繰り返すことが望ましい。他の教科の学習の合間に,少し時間をとって暗唱すると,頭の疲れが取れるのと同時に,暗唱の回数が増えるという利点があると思っている。しかし,現実はそんなに簡単に切り替えができないのかもしれない。
*「モデル・センテンス」 本校の英語科が作成した暗唱文例集
つづく
高3アトラクション(2)
ごみ袋を持った生徒たちが円を作った。何と,高さ1メートル80センチの円柱の形をした「プールの水」を演出したのである。すると円の中で一人の生徒が逆さまになった生徒を抱きかかえている。抱きかかえている生徒は円の中にいるため観客席からは見えない。倒立をするような格好で抱きかかえられている生徒が足を見事に動かしている。シンクロナイズド・スイミングに挑戦したのである。これには会場の全員から驚きの声と拍手が起こった。
また,4分間の演技の中で,グラウンドいっぱいに広がり,音楽に合わせて新体操をする生徒たちは真剣そのものであった。見ていて感動のあまり涙が出てしまった。演技が終了した後,一段と大きな拍手が起こった。その年の高3の中でわたしの担任のクラスが優勝したのは,このアトラクションの点数が大きかったと記憶している。
今年,高3アトラクションの最終クラスの演技が組体操であった。素朴な演技の中に真剣な生徒たちの姿が目立った。もちろん,どのクラスも懸命にやっていることが,よく伝わってきたが,複雑にすることなく,素朴な昔ながらの組体操にしたことが,見る者にさわやかな感動を与えたのではないだろうか。
わずか5分たらずで演ずるアトラクションを通して,高3生はどのようにして会場にいる生徒やご父母に自分たちの伝えたいことを理解してもらうか,何度も考えなおして,よりよい作品を作ろうとする。ところが,笑ってほしいところでは笑ってくれないのに,思わぬところで笑いや拍手が起こる。演出のむつかしさを高3生はこのアトラクションで学ぶ。
しかし何よりも大きな収穫は,クラス全体がこの演技の練習の過程でまとまり,大学受験へと一気に突っ走る大きな力を得ることである。こんなところにも,「受験は団体競技である」という一面がうかがえるような気がする。
おわり