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チュータのひとりごと

2004年9月アーカイブ

暴風警報(1)

台風の思い出について,第6回の「教務のひとりごと」で述べたが,今回の台風16号が通過したときに,松山でもかなりの強風が吹き,地域によっては,高潮や床下浸水の被害も出た。

 わたしは,台風16号が松山の西を通過すると知って,いつものように,庭の鉢を移動したり,木の枝をくくりつけたりして,台風襲来に備えた。

 家族の者は,また始まったとばかりに,半ばあきれ顔で,わたしの行動を見ていた。

わたしは瀬戸内海の興居島(ごごしま)での経験から,今度の台風は,今までのようなわけにはいかないと確信していた。

いつの頃からかは忘れてしまったが,台風が来るというニュースが入ってくると,不思議に,朝の3時頃から目がさめて,テレビやインターネットの天気予報(気象庁のホームページ)を見て,暴風警報がいつ出るのか確認する習慣ができてしまった。

この16号が接近した朝も,2時頃に目が覚めて,テレビのスイッチを入れた。外は風一つなく穏やかで,まだ,暴風警報は出ていなかった。次に目がさめたのが4時過ぎであったが,やはり暴風警報は出ていない。結局,5時前まで目がさめていたが,5時前に愛媛全域に暴風警報が出たというテロップがやっとNHKの放送で発表された。

インターネットで確認したところ,松山地方気象台は午前4時30分に暴風警報を出していた。

これで学校は休校になることが決まったのであるが,5時を過ぎているので,もう眠ることもできない。5時40分頃であろうか。電話が鳴った。生徒から休校かどうかを尋ねる電話がかかっていると宿直から電話があった。芳野敬三教頭が出張で不在のため,わたしに確認の電話が入ったのである。午前6時に中予地区に暴風警報が出ていれば休校になるということは,前日にクラス担任から全校生徒に伝えているのだが,中予地区の情報が分からないご父母もいるのだろうと思って,休校であることを伝えてほしいと宿直にお願いをした。

受話器を置くと同時に,ホームページに休校を伝える記事を書こうという考えが頭に浮かんだ。すぐに,車に乗って学校に向かった。学校に到着して宿直室で朝の挨拶をしている最中に電話が鳴った。もちろん,休校かどうかを確認する電話である。

急いでコンピュータに向かい,休校であることを書いてホームページの更新をした。6時10分頃であったと思う。

この日は,結局,40件もの電話が宿直室にかかったという報告を受けた。

つづく

オーストラリア語学研修(2)

「ホームステイ」のスピーチでは,家族全員が早く床につくことに驚いたと,数名の生徒たちが述べていた。また,どの生徒もホームステイ先で大切にされていることが,彼らのスピーチからよく伝わってきた。

 当然,全員がスピーチをしたのであるが,さすがに本校の生徒たちは英語の文章力があるため,聞かせるスピーチをした。ジャッジに当たった現地の先生方も,生徒たちの素晴らしい発表に喜んでいた。2週間のホームステイであっても,英語をしゃべるという点で,進歩があったと喜んでくれたのであろう。

英語の学習ということで,もう一つ印象に残るプログラムがあった。それは「インテグレイション」と呼ばれる現地校での授業参加である。授業参加は,「ミューラー・カレッジ」で行われた。ここは,小学生から高校生までが在籍する創立間もない学校である。

いきなり授業の中へ入っていくので,生徒たちはとまどっていたようであるが,良い勉強になったと思う。いくつかのコースが用意されており,希望するコースを選ぶことができた。授業の内容を理解できた生徒もいたが,全く理解できなかったと報告した生徒もいた。自分が本当に興味を持つコースに入った生徒はある程度理解したようであるが,コースを何となく選んだ生徒は理解が難しかったようである。

自分が興味を持つことなら,難しい話もある程度理解できるが,あまり興味の無いことであると,英語ではとても理解は難しい。このことから,自分の得意な分野を作っておくことがコミュニケーションにおいて大切なことであると言えるであろう。

今回のオ-ストラリア語学研修を通して,生徒たちは多くのことを学んだ。その中でも,意志伝達の方法として,会話をすることがいかに重要であるかということを強く認識したに違いない。

現在,大学入試はリスニングの力を試そうと,様々なタイプのリスニングテストを課しているが,いずれ,個々の大学が2次試験でスピーキングの力を試すテストを工夫することになるのではないか。

本校の生徒たちはNHKの教材を利用して継続して英語のリスニングとスピーキングにチャレンジしているが,この学習もまさに「続いてこそ道」であろう。

  おわり
オーストラリア語学研修(1)

7月27日(火)~8月11日(水)まで,高1生34名を引率して,16日間の語学研修に参加したので,英語という点で,心に残ったできごとを書き留めてみよう。

「St. Joseph's Nudgee College」 の一部となっている「ナッジ・インターナショナル・カレッジ」に到着して早速オリエンテーションが行われ、その後、それぞれの生徒がホームステイをする家族のもとへ引き取られていった。生徒たちにとっては、最高に緊張する瞬間であったろう。それは、英語でしかコミュニケーションができない世界へ入るからである。自分の母国語がまったく通用しない世界に足を踏み入れるのは、勇気のいることである。若いからこそできる経験ではないかと思う。

 生徒たちのことを何となく不安に思っていたが,翌朝,車で送ってくれたホストファミリーの人と,会話を交わしているのを見て安心した。

 基本的に午前中は授業で,午後にアクティビティーが組まれていた。初日に筆記試験をして,その結果でクラスを分けることになっていたが,生徒たちの得点にそれほど差がないということで,名簿順に2班に分けることになった。現地の教員が,生徒たちの得点を見て,驚いていた。それほどペーパーテストの点がよかったのである。

ところが,彼らが驚くことがもう一つあった。それはペーパーテストで素晴らしい成績を取ることができるのに,リスニングやスピーキングを少々苦手としている生徒がいることであった。

ウィリアム先生に2年間習っているので,昔の生徒と違って聞く力や話す力はついているのだが,筆記試験の成績と比べてみて不思議に思われたのである。

プログラム開始後,12日間が経過して,スピーチコンテストをすることになった。1分間のスピーチで,演題は「オーストラリアについて好きなこと,嫌いなこと」と「ホームステイ」のどちらかをそれぞれが選ぶことになった。

つづく

2013年1月

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