愛光学園

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チュータのひとりごと

2005年6月アーカイブ

英語教員としての新しい試み(2)

昼休みの課題チェックもこの29期生が最初である。どのようにしたら生徒が学習に真剣に立ち向かうのか,良い方法はなかなか出てきにくいのだが,工夫を怠らなければ,いろいろと思いつくものである。

昨年度は,パワーポイントを使って英語の授業を行うことに挑戦した。この方法はOHPを進化させたものだと考えると分かりやすい。何度も同じことを提示できるので,生徒の頭に残るという利点がある。

このパワーポイントの利用については,一段落したので,次の課題を何にしようかと考えていた。

ある英語教育の情報誌に目を通しているとき,「キーボード」という言葉が目に留まった。NHKの基礎英語で,リズムを用いて新出単語の練習をするので,おもしろい方法だとは思っていたが,キーボードを授業で使うことは,最初考えていなかった。昨年度,参観日におもちゃのキーボードを用いて,文法の練習をしたことはあったが,それ以後,あまり使用することはなかった。

今年になって,このキーボードのリズムを用いて,英文をリピートできるのではないかということを思いついた。

現在,中1の英語2を担当しているが,最初に学習する英文は短いものが多い。ためしに,リズムを使って生徒に英文をリピートさせると,短時間に何度も繰り返すことができる上に,強弱の練習ができる。

授業が終わったときに,生徒の一人が,「先生,英文のリズムがつかめました。」と言うのを聞いて,これはやってみる価値があると思った。

英文をリズムで練習する方法を実際に見たことはないので,これからさらに研究する必要はあると思うが,1年後の生徒たちの英文のリズムがどうなっているか,今から楽しみである。

11月と2月の参観日は木曜日に当たっているので,リズムを使った中1の英語2の授業がどのように展開されているか,興味のあるご父母は中1の教室をのぞいてほしいと思っている。

   おわり
英語教員としての新しい試み(1)

英語の教員になって36年になる。この36年間に英語の教員として,「生徒に英語の実力をつけるため,自分は何をしてきたのか。」と考えてみると,その努力は決して十分であったとは言えない。

しかし,そのような中で,常に英語の新しい教授方法を考えることが,わたしの楽しみの一つであった。つまり,どのようにしたら,分かりやすい授業を展開できるのかということを頭において授業をしてきたということである。

簡易ラボ(簡易型LL教室),OHP(オーバーヘッドプロジェクター),パワーポイントなどを使う授業で,1時限の授業の準備をする楽しみは,英語の教員でないと味わえなかったのではないかと思うこともある。

愛光に赴任したのが,30歳のときであった。従って今年は28年目を迎えていることになる。

愛光の英語の授業で工夫したことは,「モデルセンテンス」(暗唱文)や「単総」(現在の英単語ターゲット)をどのような形でチェックすると最も効果があるかということである。わたしはこのことを真剣に考え,実行した。現在,モデルセンテンスと英単語ターゲットは,英語科の中で統一され,毎日の10分間の小テストでチェックすることになっている。この小テストには合格点が設定されていて,不合格になると「カキカキ」というペナルティーが課せられる。この「カキカキ」という言葉は,学校内で固有名詞として使われている。

これは,29期生(本校の教員では,竹村司郎先生,半沢直也先生がいる。)の中のある生徒が言い始めた言葉である。当時,小テストに真面目に取り組まない生徒を何とかしようと思って発案した方法で,不合格になると,単語や暗唱文を回数を決めて書かせるペナルティーであった。提出を忘れると書く回数が増える仕組みになっていた。生徒たちは何度も何度も書かなければならないので,これを「書き書き」と呼び始めたのである。

つづく

定期健康診断(2)

そのような経験があるので,まあ,何とかなるだろうと思いながら,マイクの前に座った。体育館からの指示で,午後の健診を開始する放送をし,指示を伝え始めたところで,チャイムが鳴った。一瞬,しまったと思ったが,途中で放送を止めることはできない。

 チャイムに負けないよう声を大きくして誘導の指示を伝えたが,果たして,生徒にどのように伝わったのか,今でもよく分かっていない。教室入室の予鈴が鳴ることは知っていたが,まさか,健診開始のチャイムが鳴るとは夢にも思っていなかった。

原稿に放送を2度繰り返す部分がある。わたしが放送を担当していて,最も気にかかることは,同じ内容を2度繰り返して放送することである。放送は1度でよいというのがわたしの考えである。

どうしても放送内容を繰り返さなければならないときには,仕方がないので,表現や抑揚を変えて言うことにしている。こうすれば,言う側も聞く側も単調にならないと思うからである。

実際には原稿を読んでいるのだが,アナウンスは「語りかけ」をしないと,聞いている人が違和感を持つ。この「語りかけ」こそが,アナウンサーの生命であるとわたしは思っている。NHKの全国ニュースのアナウンサーの「語りかけ」には,ほれぼれする。やはりプロは違うと,聞いていていつも思う。

放送をいつまで担当できるか,それはわたしが決めることではないが,担当する限り,自分に可能な最高の「語りかけ」ができるよう,緊張感を持って仕事に臨みたいと考えている。

   おわり
定期健康診断(1)

 5月12日(木)に年次定期健康診断が行われた。この定期健診はかなり大掛かりな行事で,全体の総指揮は保健主事の砂田國雄先生が取っている。

すでに2週間前の4月の連休前にアンケート調査などが行われ,着々と準備が進められていた。

この日は授業を実施せずに,1日かけて健診を行う。全生徒が対象で,教員も午前と午後に分かれて,それぞれの健診の部署につく。

「日誌」でも紹介したように,健診をお願いした31名の医師のうち,実に28名が本校出身であるということに大変驚いている。この事実からも,本校を卒業して医学部に入学する生徒がいかに多いかということが,お分かりいただけるのではないだろうか。

今年度のわたしの受け持った部署は生徒を誘導する「放送」であった。もう一人の放送を担当する竹村司郎先生が,高3の担任で,午後の高3生の「進学講話」に出席することになったため,わたしが午後の放送を担当することになった。

毎年,午前の放送のみを担当していたため,午後の放送は初めての経験で,内容がどのようなものであるのか,全く理解できていなかった。

もちろん,生徒誘導の放送原稿はあるのだが,頭の中で生徒たちがどのように動くのか理解できていないと,落ち着いて放送ができない。

しかし,幸いなことに,わたしは中学時代から放送部に所属し,アナウンスの練習を積み重ねた経験を持っている。マイクが目の前にあると,不思議に心が落ち着くのである。マイクを,自分が話す相手と思って語りかける習慣ができているのかもしれない。

つづく


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