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チュータのひとりごと

2005年9月アーカイブ

台風14号と臨時休校(1)

 先日台風14号が九州に上陸した。大きな被害が報道される中で,松山地方は暴風圏に入ったものの,予想よりも西を通過したために,さほど大きな被害はなかったようである。

 台風がやってくると,学校を休校にするかどうかで,いつも頭をかかえてしまう。

 今回も例外ではなかった。

 14号はスピードが遅く,何日の何時に愛媛県に影響が出るのかが予想しにくい台風であった。

 学校ではどのようにして台風の情報を入手しているか,紹介してみよう。

 インターネットで気象庁のホームページにアクセスし,先ず台風情報をクリックして,台風経路図を見る。次に気象警報・注意報をクリックして地図上の四国をクリックすると四国の警報と注意報が黒丸で分かるように表記されている。

 ここで暴風警報の欄に黒丸がついていると,学校は休校になる。

 次に愛媛県をクリックすると松山地方気象台の発表が掲載されており,さらに詳しい情報を手に入れることができる。

 不思議なもので,毎回この経路を見ていると,進路が予測できるという錯覚に陥ることがある。

 今回の台風は4,5日前から,必ず松山を通過することになるだろうとわたしは確信していた。経路を見れば誰でもそう思えたに違いない。

 9月5日(月)の放課後,芳野敬三教頭と暴風警報の有無を6日(火)の午前5時30分に確認しあうことに決めた。

 わたしは,瀬戸内海の島で生まれ育ったこともあって,台風の恐ろしさを幾度も経験している。そのせいか,台風のときは,決まって夜中に何度も目が覚める。

 5日から6日の早朝にかけても,夜中の2時に目が覚め,インターネットで気象庁のホームページを確認したが,愛媛県にはまだ暴風警報は発表されていなかった。

 次に5時前に目が覚め,再度インターネットで確認したが,やはり,暴風警報は出ていなかった。

  つづく
ダブルスクールと昼休みチェック(2)

 当時,教員の間でも,また生徒たちの間でも,1日の英語の学習時間は2時間と決まっていた。この2時間の中で,生徒たちが授業以外の課題にチャレンジすることが可能であることは,本校での経験で分かっていた。いや,むしろ,この課題がなければ,2時間学習する内容が不足するとさえ思っていた。

 何を課題として与えると効果的な学習になるか,このことについてはかなりの時間をつかって研究した。授業以外の課題として生徒に与える以上,教師も課題のチェックをして意気込みを見せなければならないと考え,昼休みに応接室や会議室に出向き,チェックをすることになった。4時限目と5時限目に授業があるときは,弁当を食べながらチェックをした。胃によいわけはないのだが,生徒たちに特別課題として与えた宿題をチェックするのに,この「昼休みチェック」以外の方策をわたしは思いつかなかった。

 昼休みチェックは,ただ生徒の課題のチェックをするだけではなかった。必ず1問,質問を口頭で与え,答えを口頭で求めた。もちろん,当初の目的であった「生徒たちに声をかけるにはどうしたらよいか。」ということも忘れてはいなかった。

 生徒たちは,期待に応えてくれた。中には3,4時間も英語を学習する者がいて,「英語だけをやらせて良いのか。」という批判も出たようであるが,当時は若さも手伝って,突っ走ってしまった。

 しかし,このことがきっかけとなって,英語科で授業以外の特別課題を生徒たちに与えようということになり,現在でもその制度が続いている。

 「特別課題」と「昼休みチェック」という発想は,今,ダブルスクールと呼ばれている塾や予備校の代わりを学校がするということから生まれた。

 生徒たちにどのようにして力をつけるか,これは学校教育の永遠の課題であるが,時間をかけて考えれば,いろいろと方策が生まれてくるのだということをわたしたちは忘れてはならない。その方策を考えることが,進学校の使命の一つではないだろうか。

   おわり

ダブルスクールと昼休みチェック(1)

 ダブルスクールという言葉を耳にすることがよくある。この言葉をたびたび耳にするようになったのは,ごく最近のことである。

もともとは,大学生や社会人が資格取得や,語学などを学ぶために,夜間,専門学校に通うことを指していたようであるが,高校生が学校以外に塾や予備校へ通うこともダブルスクールと呼ばれるようになった。

都会の生徒たちが,それなりの力を持つ塾や予備校へ通っているという話を聞いたのは,昭和52年に本校に赴任して間もなくの頃であったように思う。

 わたしが5年前まで,20数年にわたって行った「昼休みチェック」は,実は,このダブルスクールと大いに関係があったので,そのいきさつを紹介してみよう。

 第39回と第40回の「チュータのひとりごと」で,「わたしの昼休みチェックは,生徒たちに声をかけるにはどうしたらよいかという問題点を解決しようとすることから始まった。」と紹介した。きっかけは,そのとおりであるが,もう一つ大きな理由があった。

 ある会議の席で,都会の進学校の教師が,「うちの学校の生徒たちは学校でというよりも,塾や予備校で鍛えられているんですよ。大学に入学させているのは,学校ではなくて塾や予備校かもしれませんね。」と述べたと,本校の教員から聞いたことがある。

 わたしは,この話を聞いて,学校の授業だけでは,放課後,塾や予備校に通っている生徒に成績で勝つことは難しいのではないかと思った。都会の生徒と同じ力をつけようと思うと,塾や予備校での学習に代わるものがなければ,とても太刀打ちできないと考えたのである。

 授業の予習,毎日行われる単語や熟語,暗唱文のテスト勉強だけでは,都会の生徒と対等にやっていけないと判断し,毎日,授業以外の課題を与え,それを昼休みにチェックするという方法をとった。

 つづく

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