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チュータのひとりごと

チュータのひとりごと(171) ・ 文化祭(9月11日)

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ダブルスクールと昼休みチェック(2)

 当時,教員の間でも,また生徒たちの間でも,1日の英語の学習時間は2時間と決まっていた。この2時間の中で,生徒たちが授業以外の課題にチャレンジすることが可能であることは,本校での経験で分かっていた。いや,むしろ,この課題がなければ,2時間学習する内容が不足するとさえ思っていた。

 何を課題として与えると効果的な学習になるか,このことについてはかなりの時間をつかって研究した。授業以外の課題として生徒に与える以上,教師も課題のチェックをして意気込みを見せなければならないと考え,昼休みに応接室や会議室に出向き,チェックをすることになった。4時限目と5時限目に授業があるときは,弁当を食べながらチェックをした。胃によいわけはないのだが,生徒たちに特別課題として与えた宿題をチェックするのに,この「昼休みチェック」以外の方策をわたしは思いつかなかった。

 昼休みチェックは,ただ生徒の課題のチェックをするだけではなかった。必ず1問,質問を口頭で与え,答えを口頭で求めた。もちろん,当初の目的であった「生徒たちに声をかけるにはどうしたらよいか。」ということも忘れてはいなかった。

 生徒たちは,期待に応えてくれた。中には3,4時間も英語を学習する者がいて,「英語だけをやらせて良いのか。」という批判も出たようであるが,当時は若さも手伝って,突っ走ってしまった。

 しかし,このことがきっかけとなって,英語科で授業以外の特別課題を生徒たちに与えようということになり,現在でもその制度が続いている。

 「特別課題」と「昼休みチェック」という発想は,今,ダブルスクールと呼ばれている塾や予備校の代わりを学校がするということから生まれた。

 生徒たちにどのようにして力をつけるか,これは学校教育の永遠の課題であるが,時間をかけて考えれば,いろいろと方策が生まれてくるのだということをわたしたちは忘れてはならない。その方策を考えることが,進学校の使命の一つではないだろうか。

   おわり


2013年1月

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