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チュータのひとりごと

2005年12月アーカイブ

「足を運ぶ」ということ(2)

 寮生の面談についても同じことが言えるのではないだろうか。寮生の面談を寮でする意味は,実は教員が寮へ「足を運ぶ」ことにあるのではないかとわたしは思っている。

 以前の「ひとりごと」でも述べたが,学年主任をしたときに,クラス担任の先生方に,一人につき,年間5回の面談をお願いした。各クラスに約50名の生徒がいたので,合計250の面談を実施したことになる。

 1回の面談が多いときで5名くらいであったので,年間に50日,面談日があったことになる。もちろん,これは最低の回数で,実際には70日くらいの面談日があったはずである。

 さらに,わたしは,クラス担任に寮生の面談はできるだけ寮でやってほしいとお願いをした。クラスの半分が寮生である場合,担任は30日以上,寮に出向かなければならない。年間の開校日数を考えると,1週間に1度は寮に出かけなければならない計算になる。5人の担任が,かわるがわる出かけることにすれば,週に5日間,担任の誰かが寮に出向くことになる。

 寮生の面談は,学校で放課後にすることも可能である。しかし,個室に足を運び,彼らの「城」で話をすることがいかに大切であるかは,足しげく通った者にしか分からない。

 たわいもないことだと思えるかもしれないが,クラス担任がわざわざ足を運んでくれたという事実に対して,寮生は心を動かしているのである。

 人と人の心の絆は,この「運ぶ」という行為から,より深く結ばれることがあるということは,心に留めておかなければならない事実であろう。

  おわり



 お知らせ

 今年の「チュータのひとりごと」は今回で終了し,
来年は1月15日(日)からスタートする予定です。

チュータのひとりごと(180)

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「足を運ぶ」ということ(1)

前回の「ひとりごと」で,寮生の親が電話で連絡をとっていたのを手紙で連絡をするように切り替えたことについて触れたが,これは,簡単な方法からより時間がかかる方法に変更したということである。


 今の世の中,便利になって,用があれば,電話で済ますことが多くなった。つまり,現代社会は,時間をいかにして短縮し,手早く処理するかということを求めているのである。


 このような風潮の中で,より手がかかる方法に切り替えることは,勇気のいることである。


 ずっと以前に,「二つの方法から一つを選ぶときには,より困難だと思われる方法を選ぶべきである。」と聞いた覚えがある。


 わたしは学校で忙しく動き回っているときに,不思議にこの言葉が思い浮かぶのである。そのような時には,電話で済ますほうが早いと思っても,相手のいる場所まで「足を運ぶ」ことにしている。人と話をするときに,こちらが足を運ばせてもらって,面と向かい合って話をするほうが,相談がスムーズに進むことが多いのは,よく経験したことである。

  つづく


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