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チュータのひとりごと

2006年2月アーカイブ

チュータのひとりごと(185)

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ロブバンクと法教育(2)

 昨年の12月に女性の裁判官に講演を依頼した。この講演会は,本校生徒の父親の紹介で実現した企画であった。

 この講演の打ち合わせに松山地方裁判所を訪問し,講師の女性裁判官と演題などについて相談をし,進路決定の最終段階にあった高校1年生を対象に実施することが決まった。

 生徒たちの中には裁判官や検事,そして弁護士を希望している者もおり,パワーポイントを使って行われる講演に,全生徒が熱心に耳を傾けていた。途中,有志の生徒が法衣を身にまとい,会場がなごむ場面もあった。

 高1生は,今年の1月に文理選択が完了した。この講演によって文系,理系の選択が変わったという話は聞かなかったが,文系,理系を問わず,裁判官がより身近な存在になったことは間違いない。

 実は,この計画と並行して法教育の企画が進んでいた。

 本校の卒業生の父親で弁護士をしているA氏から,「愛光で法教育をやってみてはどうか。」という打診があった。

 「法教育」について具体的なお話を伺うため,愛媛弁護士会のメンバーに学校に来ていただき,相談をした。

 最初に,中学の1クラスを選び,土曜日の4時限を使って実施したいという要請を受けた。

 わたしは,中学はどの学年も4クラスあるので,1クラスだけ時間割を変えて,法教育の授業を行うことは不可能であると学校の事情を説明した。するとA弁護士から,1クラスに4人の弁護士が必要となるので,16人に集まってもらえるかどうか,検討させてほしいという申し出があった。

 この時点で,法教育の授業を本校で実施することは難しいと思っていたが,どの学年で実施するか検討を始めた。

 中学部会に諮ったところ,中2の学年主任の八塚光先生から,他の学年で難しいようであれば,中2で引き受けてもよいという返事をもらった。

 そうこうするうちに,A弁護士から16人の弁護士が揃ったので,協力をお願いしたいという連絡があった。

 法教育の授業といっても,具体的にどのような手順で授業が進められるのか,誰も想像がつかなかった。

 数度にわたって打ち合わせを行い,12月17日(土)を迎えた。
     つづく
ロブバンクと法教育(1)

 最近,「キャリア教育」という言葉をよく耳にする。これは世の中の様々な分野で活躍している人たちの職業経験を生徒たちに語ってもらい,生徒たちが自分の将来を考える際の一つの指針になるよう,主に講演会形式で行われるものである。

 本校では,これを「ロブ・バンク」と呼んでいる。

 「ロブ・バンク」を本校で最初に計画した芳野敬三教頭は,「ロブ・バンク」について,
 『志を同じにするものの間で,個々人の獲得した知的財産を伝授したり,共有したりすることはできないだろうか。そんな目論見で考案されたのがロブ・バンクである。これは,同窓生による講演や講義活動(Lecture by O.B.)の申し出を学園内に蓄積し,いつでも取り出して実施できるように位置付けたもの(Bank)である。霞ヶ関に就労する卒業生も常時百人を超える。大学の研究室で世界に発信する研究活動に従事するものはさらにその数を上回る。社会の良きリーダーを育成するという建学理念は,着実に実現されつつある。日本の最先端が何を考え,何を具現化しているのか,その語り部に本校の卒業生が多くいる。現在,少なくとも中学部各学年においては,年間2回の実施を計画している。』
と述べている。

今年は,中1が16期卒業の近藤史人氏と5期卒の松野元氏,中2が20期卒の加藤正隆氏と25期卒の竹内豊氏,中3が松野元氏と31期卒の中村真二氏を招いて,ロブ・バンクを実施した。

 ロブ・バンクは,上記の芳野教頭の言葉から分かるように,本校の卒業生に講演を依頼するために組織されたものであるが,図書館主催の「出前講義」のように,学外から講師を招聘する場合もある。

  つづく

2013年1月

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