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チュータのひとりごと

2006年3月アーカイブ

チュータのひとりごと(187)

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48期生卒業式とチュータ日誌

 2月1日(水)に愛光高等学校48期生の卒業式が行われた。

 卒業式におけるわたしの主な仕事は,当然のことであるが,日誌用の写真を撮影することである。

 毎年(今年で6回目),舞台に向かって右にある司会席のところで,式の流れを追いながら撮影している。舞台の左にいると,撮影のたびに移動しなければならないため,式の雰囲気をこわすのではないかという思いがあった。

 今年度から卒業式の表彰に「田中忠夫奨励賞」が新設された。この賞は学習の分野で努力が顕著であった生徒たちに与えられる賞で,中学の修了式においても授与されることが決まっている。

 式が進み,父母代表挨拶があった。挨拶は高3父母の代表が,教職員に謝辞を述べるものである。教職員は全員起立して,この挨拶を受ける。

 挨拶の中で,わたしが感激する場面があった。代表の父親が「チュータ日誌」のことに触れてくださったのである。

 日誌が,48期卒業生が中1の時に始まったこと,子どもの写真が出ると家族全員がディスプレイの前に集まったこと,日誌を見ることが日課になったことなど,次々と思い出を語ってくださった。

 わたしは,父母代表の挨拶の中で「チュータ日誌」について触れてくださったことに驚き,しばしの間,写真を撮ることを忘れて直立不動のまま,父親の言葉に聞き入っていた。

 思えば,確かに5年前の9月にチュータ日誌が始まった。「続いてこそ道」という言葉どおりに実践できるかどうか,自信はなかったが,チャレンジしてみようと思ったことを思い出した。

 この父親のスピーチを聞いて,5年半にわたって日誌を続けることができたのは,読んでくだる方の熱い気持ちのおかげであったのだなあと,感謝の気持ちでいっぱいになった。

 不思議なことであるが,5年半の中で,たった一度も「しんどいなあ」と思ってパソコンに向かったことはない。この力は,実は,ご父母や同窓生からいただいていたということが,挨拶の言葉でよく分かった。

 この仕事も,いずれ次の人にタッチしていかなければならない時が来るだろう。素晴らしい感動を得ることのできる仕事であったことが,何よりもうれしいことであり,この感動が長く受け継がれていくことをわたしは願っている。

 お知らせ
 今年度の「チュータのひとりごと」は今回が最終です。

チュータのひとりごと(186)

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ロブバンクと法教育(3)

 当日は,16人の弁護士に加えて,検事,裁判官も参加し,中2の教室で活発に意見交換が行われた。
 授業のテーマと流れは次のようなものであった。

 テーマ
 ある少年の引ったくり事件を題材に,被害者の老婆,町の住人,少年の親の立場に立って,その周囲に与える影響や,少年の立ち直りを期待する言葉を考えさせることによって,法やルールの必要性,それを守ろうとする姿勢を生徒に考えさせる。

 模擬授業
1 自己紹介
2 生徒たちの緊張を解きほぐすためのゲーム(アイスブレイキング)
3 授業の進行予定の説明
4 事件の概要を読み,自分の考えの根拠や,疑問点と質問を考える。
5 授業の目的と判断のための基礎知識の説明
6 グループ討論
7 発表
8 講師の論評
9 弁護士との意見交換
10 弁護士からの感想
11 アンケート用紙配布・記入

 この内容に従って,途中,休憩をはさみながら,1時限目から4時限目まで授業を行った。

 実施後の生徒のアンケートの一部を紹介してみよう。
○ 現役の弁護士さん,判事さんをまじえて本格的な事件について取り扱ったのは初めてで,裁判の難しさというものや議論の重要性が少しわかった気がする。
○ 今まで,弁護士は何をするのかよく分からなかったけど,今日の授業を通して,少し知ることができた。とても大切で難しい役割だなと思った。
○ 法が全てを解決してくれるのではなく,自分自身が意見を持つということが大切だと思った。
○ 弁護士の複雑な感情を体験することで,いろいろな側面から物を見ることができるようになったと思う。
○ 人と意見交換することはむずかしいことで,人と話す時はまず聞くことが大事だということが分かった。

 この法教育の授業は,授業を受けた生徒たちと,学校という教育現場で授業を体験した弁護士の両者にとって,とても有意義な機会であった。ちなみに参加した弁護士のうち,7名が本校の卒業生であった。

 最後に,弁護士会の皆様の熱意と,実施にあたって全面的に協力をしてくれた中2学年部の先生方に感謝したい。     
   おわり

2013年1月

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